有明アリーナはコンサート利用で収入予測12億4500万円

有明アリーナはコンサート利用で収入予測12億4500万円

有明アリーナは外壁デザインは落ち着いているが無骨(C)日刊ゲンダイ

【東京五輪会場を丸裸にする】#2

 有明アリーナ

 ◇  ◇  ◇

 今回計6カ所の五輪施設を検証するが、その中で唯一、維持管理費で黒字を見込んでいるのが有明アリーナだ。立地はゆりかもめの新豊洲駅もしくは有明テニスの森駅から10分ほどで、利便性も悪くない。

●将来性=25点

 五輪後に年間3億6000万円弱の収益を見込む。強気の根拠は、12億4500万円に上る収入予測であり、その主な施設利用は年間100万人を見込むコンサート・ライブの開催だ。確かに5000人以上、1万人規模のホールは首都圏で不足しており、公演関係者に重宝されるに違いない。少子高齢化や各地にホール施設が林立してくる中で、「日本武道館」のように評価と個性が際立ち、長い目で見て、もくろみ通りの競争力を維持し続けることができるかどうかが重要だ。

●デザイン=18点

 建物は東雲運河に面し、北と東に堀を従えた城郭のごとき姿をしているのが特徴だ。

 アリーナ天井の球面構造を反映した建物のスカイラインは、やわらかい曲線を描き、グレーの石積みを意識した外壁デザインは落ち着いた表情だが、無骨過ぎ、せっかくの水に面した立地を生かせていない。アプローチをはじめ、導入路に祝祭性が欠けているのも残念。

●アスリート目線=23点

 メインアリーナとサブアリーナという大型と小型の空間の併設は、大会の規模や競技内容により利用者にとって最適な選択を可能にしている。大きな大会では選手や準備のバックアップ機能にもつながり、利便性は高いはずだ。

●周辺との融和性=22点

 有明地区にはすでに、有明テニスの森や有明コロシアムにスポーツセンターと、スポーツ文化施設の集合が図られており、既存施設との連携がカギになるだろう。大型商業店舗誘致にばかりこだわることなく、小規模の商業施設や健康医療施設の誘致も行い、より広く深く地域への貢献を模索すべきだろう。

■総合評価=61点

(森山高至/建築エコノミスト)

関連記事(外部サイト)