競泳会場は無駄と杜撰な施設設計の象徴 年6億4000万円の赤字試算

【東京五輪】競泳会場は年間6億4000万円の赤字試算 無駄と杜撰な設計の象徴との声も

記事まとめ

  • 辰巳国際水泳場では五輪施設として規模が足りず、アクアティクスセンターが新設された
  • しかし、併設活用としているが、選手が競技スタイルで2施設間を移動できない
  • アクアティクスセンターは年6億4000万円の赤字試算で、無駄と杜撰の象徴との声もある

競泳会場は無駄と杜撰な施設設計の象徴 年6億4000万円の赤字試算

競泳会場は無駄と杜撰な施設設計の象徴 年6億4000万円の赤字試算

アクアティクスセンター(C)日刊ゲンダイ

東京五輪会場を丸裸にする】#3

アクアティックスセンター
(競泳、飛び込み、アーティスティックスイミング)

 ◇  ◇  ◇

 新国立競技場に次いで、東京五輪での新設の意義が問われているのがアクアティクスセンターだ。そもそも、隣接する辰巳国際水泳場が五輪施設として規模が足りず、増築でまかなうことが断念されたため新設された経緯がある。施設規模が大き過ぎて、維持費がかかり過ぎる点で、「帯に短しタスキに長し」を地で行く2施設の併存は、無駄と杜撰な施設計画を象徴している。

■6億4000万円の赤字と試算

●将来性=12点

 会期中に設置されている1万5000席を大会後には、さらに費用をかけて5000席まで縮小する計画だ。年間6億4000万円の赤字と試算されている。隣接する辰巳国際水泳場の維持管理費も年間で5億円を超えており、スマートな計画とは言い難い。

●デザイン=22点

 大会後の施設改修を意識したのか、建築の構造は内部空間に可変性を持たせるように4本の大柱で大屋根を支える設計となっている。建築工事も巨大な伽藍のごとく大屋根が吊り下げられたさまは壮観である。

●アスリート目線=17点

 アクアティクスセンターと辰巳国際水泳場を併設活用としているが、隣接とはいえ、まったく別敷地で街区も違う。数百メートル離れた2施設は、選手が競技スタイルのまま移動することは不可能。水泳競技振興と都民活用のためにも、大会後の施設運営活用方法について再考を促したい。

●周辺との融和性=18点

 江東区辰巳は臨海エリアの端部で、緑の豊富な公園が多い。高速道路や鉄道などによって、既存の居住エリアとは隔絶された雰囲気がある。これらの公園やスポーツ施設を、机上や地図上で近いから連携可能とみなすのではなく、歩行者空間と商業施設も含めた街の活性化を検討するべきだろう。

■総合評価=69点

(森山高至/建築エコノミスト)

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