貴ノ富士の「強制引退」に尻込み…千賀ノ浦親方の複雑胸中

貴ノ富士の「強制引退」に尻込み…千賀ノ浦親方の複雑胸中

弟子思いは本当だろうけど…(C)共同通信社

触らぬ「貴」にタタリなし、だ。

 2度にわたる暴力事件を起こし、相撲協会から自主引退をうながされている貴ノ富士(22)。本人は「相撲をやめたくない」と9月27日に独断で会見を行い、以後、対応はすべて代理人の弁護士に任せている。師匠の千賀ノ浦親方(58=元小結隆三杉)も、「連絡が取れない」と嘆いている状況だ。

 このまま貴ノ富士が意地を張るようなら、解雇は必至。自主引退ならもらえるはずの退職金もパーである。こうした場合、師匠が打てる手のひとつが「強制引退」だ。

 大相撲では親方が本人の同意を得ず、自らの判断で引退届を協会に出すことが過去、何度かあった。素行が悪い力士や、親方とトラブルになった力士が主な対象だ。

 貴ノ富士をめぐっては、ファンも非難囂々。ネットを中心に「あまりにワガママ」「とっとと解雇した方がいい」という意見も少なくない。仮に親方が本人に無断で引退届を出したところで、責める声はほとんど出ないはずだ。

 が、千賀ノ浦親方は「引退届は出しません」と話している。弟子を悪者にしたくない、本人が納得した形で円満引退してほしい……という親心だろう。

■貴乃花部屋の例もあり…

 ある親方は「そうした気持ちもあるでしょうけど」と、こう続ける。

「厄介事を避けたいというのも事実ではないか。たとえば、2014年に貴乃花に勝手に引退届を出された旧貴乃花部屋の貴斗志です。地位確認の裁判では貴乃花部屋で暴力が常態化していたこと、親方が弟子を血だらけになるまでボコボコにしたことなどが、次々に証言された。もし、貴ノ富士を強制引退させたら、恨みの矛先が親方にも向き、貴乃花の二の舞いになりかねない。それならば協会任せにしていた方が安全ですからね」

 千賀ノ浦部屋では貴乃花部屋のような暴力はなくとも、貴ノ富士は「障害者という言葉はもともと部屋にいた兄弟子が使っていた」と、会見で暴露していた。旧貴乃花部屋勢が千賀ノ浦親方を無視していることは公然の事実だが、裏を返せば彼らの勝手を許している親方の統率力のなさでもある。そうしたもろもろが表沙汰になるのは親方も避けたい。

 やぶをつついて蛇を出す必要はないということだ。

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