日本新狙う設楽悠太の「五輪より1億円」発言に込めた怒りと本音

日本新狙う設楽悠太の「五輪より1億円」発言に込めた怒りと本音

設楽悠太(C)日刊ゲンダイ

「五輪キップより1億円が欲しい」

 男子マラソン前日本記録保持者・設楽悠太(27)の発言が陸上界に衝撃を与えた。3日に行われた東日本実業団対抗駅伝(埼玉)のレース後、「来年の東京マラソンに出ます。五輪キップより1億円の方が欲しい。そっちが優先」と語った。設楽はこのレースで大迫傑(28)の持つ日本記録(2時間5分50秒)を日本人トップで更新し、福岡国際、びわ湖でそれを上回る選手が出なければ最後の五輪キップを手にする。さらに、日本実業団陸上連合から2度目となる1億円の報奨金も出る。名誉の五輪代表より、札束の山に魅力を感じているようだ。

 設楽の発言を聞いた実業団関係者はこう言う。

「東京五輪の招致が決まったのは2013年。以後陸連は、真夏の五輪に向けて選手の身体データを取り、暑さ対策、代表選考のあり方まで研究、検討を重ねてきた。3人のマラソン代表選考は、本番とほぼ同じコースを残暑の残る9月(15日)に走り、男女2人ずつが決まった。沿道には52万人以上の観客が集まり、日曜日の午前でもテレビ視聴率は男子の関東地区平均(TBS系)が16・4%。女子の同平均(NHK総合)は13・5%(数字はビデオリサーチ調べ)でした。それだけ盛り上がったイベントなのに、主役の選手たちには1円の賞金も出ず、文句を言う選手も多数いた」

■頼りにならない

 さらに関係者は続ける。

「陸連は今回のマラソン、競歩の札幌移転に関して何のアクションも起こしていない。蓄積されたデータがあるのだから、小池都知事を通してでも提言や反論はできたはず。少なくとも、IOC(国際オリンピック委員会)のむちゃな言い分に黙って従うことはなかった。マラソン強化戦略プロジェクトリーダーの瀬古(利彦)さんはテレビに出て不満を言ってるが、今更どうなるのか。札幌に正式決定する前に動くべきです。1991年に東京で開催された世界陸上の男子マラソンも60人中、24人は途中棄権。女子も39人中15人は途中棄権している。それでも国際陸連(IAAF)は『91年大会は大成功だった』と絶賛している。IOCのやり方は確かにヒドイが、陸連が選手ファーストでないことも今回の一件で露呈した。大迫が先月、自らマラソン大会を創設するといい、設楽も賛同した。陸連任せでは何も変わらないということがわかったからでしょう」

 純粋に五輪を狙う気が失せた設楽の気持ちがよくわかる。

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