28歳急死の勝武士は病院たらい回し…新型コロナ“突然悪化”の恐怖

新型コロナウイルス陽性の28歳力士・勝武士が死去 救急搬送でたらい回し

記事まとめ

  • 三段目力士の勝武士(高田川部屋)が新型コロナウイルス性肺炎による多臓器不全で死去
  • 勝武士は複数の病院に受け入れを断られたが、8日に血たんが出たため救急搬送された
  • 受け入れ先が見つからずたらい回しされて夜に入院、10日にPCR検査で陽性が確認された

28歳急死の勝武士は病院たらい回し…新型コロナ“突然悪化”の恐怖

28歳急死の勝武士は病院たらい回し…新型コロナ“突然悪化”の恐怖

勝武士の得意技は突き押しだった(C)共同通信社

闘病生活は40日間におよび、再び土俵に上がる願いはかなわなかった。

 日本相撲協会は13日、三段目力士の勝武士(28=高田川部屋)が同午前0時半、新型コロナウイルス性肺炎による多臓器不全で死去したと発表した。国内で20代の死者は初、日本のプロスポーツ選手としても初の死亡となった。

 勝武士は先月4日から38度以上の発熱があり、高田川親方らが6〜7日にかけ、保健所や近隣の複数の病院に診察を頼んだが、受け入れを断られたという。同8日、血たんが出たため、救急車で搬送されたが、受け入れ先が見つからず、たらい回しされ、夜になって都内の大学病院に入院した。翌9日、症状が悪化したため、別の大学病院に転院し、同10日、PCR検査で陽性が確認された。入院から11日後の同19日、さらに症状悪化がみられたため、集中治療室で治療が続けられていた。

 勝武士は6年前から糖尿病を患っており、2016年には取組直前に全身が紅潮し、手の震えが止まらなくなる低血糖を起こし、不戦敗となったことがあった。約20人いる弟子の半数が、基礎疾患を抱えている部屋もあるという。

 国立感染症研究所が公表した入院期間の平均値は、16・6日(3月23日時点の調査)。新型コロナに感染すると、長期化するケースが多いようだ。勝武士も36日間入院していた。多くの感染者が、この病気のつらさを「水に溺れたような息苦しさがずっと続く」と表現するが、症状は人によってさまざまだ。

「金串が喉に突き刺さったような痛みがずっと続き、ベッドの上で2日間のたうち回った。入院3週間目には筋トレができるぐらいにまで回復しましたが、3回目のPCR検査でも陽性が出ました」(50代男性)

「腰と関節の節々が痛くなり、自力では立ち上がれないほど。悪寒に襲われ、体温が38度5分まで上がりました。糖尿病の持病がありましたが、入院後は症状が回復し、投薬も点滴も受けませんでした」(別の50代男性)

 相撲協会が発表していないため、勝武士がどんな症状だったのか、どんな治療を受けたか、まだ明らかにされていない。

■「この病気は治療法がない」

「症状や治癒までの期間に個人差があるのもこのウイルスの特徴です」と感染症学が専門で、西武学園医学技術専門学校東京校校長の中原英臣氏がこう続ける。

「この病気は治療法がないのです。アビガンにしてもレムデシビルにしても効果があるかもしれないというだけで、特効薬ではありません。力士というのは体力はあっても、いろいろな持病を抱えている可能性があります。入院中、考えられる薬をすべて投与し、あらゆる治療を行った結果、残念ながら効果がなかったということになります」

 誰に、どのような症状が出るか分からないのが、この病気の怖いところだ。感染者数が減っても、治療薬ができるまで一切気が抜けない。

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