勝武士のコロナ感染死に角界ショック…「初っ切り名人」の人柄と勘所に惜しむ声

勝武士のコロナ感染死に角界ショック…「初っ切り名人」の人柄と勘所に惜しむ声

初っ切りで観客を沸かせる勝武士(左)/(C)共同通信社

13日、大相撲の高田川部屋に所属する三段目力士、勝武士(28=本名・末武清孝)が亡くなったことが、相撲協会から発表された。死因は新型コロナウイルス性肺炎による、多臓器不全。糖尿病を患っており、容体が心配されていた。

 勝武士は角界で最初に新型コロナウイルスの感染が明らかになった力士。

 4月4日に発熱を訴えるも、保健所に電話がつながらず、その後も受け入れ可能な病院は見つからなかった。8日に血痰を吐いたため救急車を呼んだが、病院に搬送されたのは夜。簡易検査では陰性と診断された。その後は大学病院に転院し、PCR検査で陽性と判明。集中治療室に運ばれるなど容体が回復することなく、約1カ月の闘病の末、帰らぬ人となった。

 ある親方は「協会には正確な情報は入ってきてなかった」と、こう続ける。

「ずっと芝田山広報部長(元横綱大乃国)が、『退院はしていない。状況は何もわからない』と話していたでしょう。あれは事実。というのも、高田川親方(元関脇安芸乃島)ですら、病院側から詳細を聞けなかったようです。医療関係者が詳しい容体などを話すのは、あくまで当人の身内だけ。いくら親方は実の親同然といっても、それは角界の理屈ですからね……。勝武士の親戚などからの情報が巡り巡って、『集中治療室に入った“らしい”』などとは聞いていたが、真偽を確かめようがなかった」

 勝武士の訃報を受け、協会は希望する協会職員全員に抗体検査を実施すると発表。早ければ、6月中には検査結果が出るという。

兄弟子・竜電の参謀としての顔も

 勝武士は山梨県出身。甲斐市の竜王中学校卒業後、高田川部屋に入門した。さるタニマチ筋は「みんなを楽しませる、ユーモアのセンスがある力士だった」と、こう話す。

「巡業などで力士が面白おかしく禁じ手などを紹介する初っ切りを、もう5年以上はやっていた。普通、初っ切りをやる力士は2年くらいでお役御免になるもの。勝武士のそれはよほど評判が良かったんでしょうね。小柄な体格(166センチ、108キロ)だけに、大柄な力士とコンビを組むとコントさながらだった」

 ある相撲記者は「兄弟子の竜電(29=前頭6枚目)が心配です」と言う。

「2人は同じ中学校の先輩後輩という間柄。在学中は2人とも柔道部に所属し、竜電が1年先輩だった。そうしたいきさつもあって、竜電が関取になった後は勝武士が付け人を務めていた。勝武士自身は出世とは遠かったものの、相撲を見る目は優れていた。支度部屋では竜電にアドバイスを送り、参謀役として長年の親友を支えていた。竜電の悲しみは計り知れません」

 コロナ禍で5月場所の中止が決まっている角界の衝撃は大きい。

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