台湾「国旗」削除に「痛みを共有したい」 フリーダイビング大会で各国連携、日本も抗議

「政治の干渉に対して私たちが行える唯一のささやかな抵抗です」――。フリーダイビングの世界選手権で、日本を含む出場各国が抗議する騒動が起きた。

ライブ配信で選手を紹介する際、中国当局の意向で台湾のみ"国旗"を表示しなかったためで、主催者が謝罪する事態となった。

■配信がシャットダウン

世界選手権は9月20日〜30日の期間、地中海の島国キプロスで行われた。

トラブルが起きたのは28日だった。大会はユーチューブでライブ配信されたものの、台湾の選手を紹介する際、台湾当局が"国旗"とする「青天白日満地紅旗」が非表示となった。

日本フリーダイビング協会(JAS)や日本代表チームのフェイスブック投稿などによれば、中国当局が表示を問題視して配信をシャットダウンし、主催の「AIDA International」が対応したという。

出場各国はこの対応に抗議するため、自国旗の取り下げを求めた。最終日の配信では、大半の国の国旗が非表示だった。

JASは29日、フェイスブックで「AIDA Internationalがこの問題を解決できない以上、これが恐ろしい政治の干渉に対して私たちが行える唯一のささやかな抵抗です」と意図を説明し、「私たちは台湾だけが不利益を負っている状況を看過できません。私たちは台湾と痛みを共有したいと思います。私たちはスポーツに政治が干渉することを許しません」と抗議の意を示した。

AIDA台湾支部は30日に抗議文を公開するとともに、「多くの国が、私たちとの連帯を表明するために国旗の撤去を決定しました。このことに私たちは深く感動し、感謝しています」と謝意を伝えた。

■主催者は再発防止誓う

AIDA Internationalは30日、台湾への謝罪文を公式サイトに掲載し、「中国当局による配信停止に驚き、このような急な事態に対処する準備ができていませんでした。私たちは失敗から学び、今後はこのようなことが起こらないように配信方法を変えていきます」と再発防止を誓っている。

JASは2日、再び声明を出し、「複数の国によって行われた今回の行動の目的は、特定の国に関わる人を非難することでも、スポンサーを非難することでも、AIDA Internationalを非難することでもありません」とあらためて意図を説明し、

「オリンピック憲章ガイドラインにも記載されている、スポーツは中立であり、政治的干渉から分離されなければならないという基本原則に反する行為に抗議を行ったにすぎません。今後同様の事態が起きたとき、今回と同じような行動が出来るかどうかは分かりません。その時々の状況によって出来ることは異なります。政治は私たちの手には負えません。しかし、誰かが痛めつけられているのを見たら、また何らか方法で痛みを分かち合いたい思います。分かち合う人が増えれば、一人ひとりの痛みはより小さくなります」

とコメントした。

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