入学予定の高校ラガーマンたちはどうなるのか 日大ラグビー部「無期限活動停止」、過去の類似事件では...

日本大学ラグビー部、部員逮捕で活動無期限停止を発表 連帯責任に疑問の声も

記事まとめ

  • 日本大ラグビー部は、部員の逮捕を受けて活動を無期限停止すると発表
  • 関東学院大も07年、複数の部員が大麻を栽培していたことが発覚し、部員らは逮捕された
  • 有名大ラグビー部に入れたことを喜んでいた親も一転し、「入れさせない」と憤ったそう

入学予定の高校ラガーマンたちはどうなるのか 日大ラグビー部「無期限活動停止」、過去の類似事件では...

入学予定の高校ラガーマンたちはどうなるのか 日大ラグビー部「無期限活動停止」、過去の類似事件では...

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「One for all」。「1人は皆のために」――。

プレイヤーとして、記者として...。長年、ラグビーに携わってきた筆者も「ノーサイド」と同じぐらい、耳にタコができるほど聞いてきた言葉だ。しかし、この言葉は、裏を返せば「1人がやってしまった愚行は、全員の責任となる」ということでもある。

日大ラグビー部「再発防止に向けて全力で取り組んでまいります」

警視庁が2020年1月18日、大麻取締法違反の疑いで逮捕したのが、日本大ラグビー部に所属する部員(21)だった。東京都渋谷区の路上で大麻を所持していた疑い。警察官から職務質問を受けたところ、所持品の中から大麻が見つかった。一部メディアの報道では、同部員は「自分で使っていた」と大筋で容疑を認めているという。

J-CASTニュースが20日、日大広報部広報課に取材したところ、

「詳細は確認中で、現時点ではお答えできません」

と話すにとどまったが、日大ラグビー部は同日、ウェブサイトで「活動を無期限停止」することを発表した。以下がその内容で、

「この度、日本大学ラグビー部員が法令違反により逮捕されたことについて、心よりお詫び申し上げます。今後の警察の捜査に全面的に協力するとともに、当該部員に対しは、捜査の状況を踏まえ厳正に対処いたします。今回の事態を重く受け止め、活動を無期限停止とし、日々の運営と指導を根本から見直し、皆様の信頼を一日でも早く回復できるよう再発防止に向けて全力で取り組んでまいります」(後略)

としている。

日大ラグビー部は1928年に創部。関東大学リーグ戦創設の中心となったチームで、過去には同リーグ戦3度優勝、全国大学選手権では4度のベスト4入りを果たした強豪チームである。今季も同リーグで2位となり、6大会ぶりに全国大学選手権の出場切符を手にした。トップリーグにも有名選手を輩出しているほか、2028年の「創部100周年」に向け、チームは大学日本一を目指していた。

「息子が有名大学のラグビー部に入れた」喜んでいた親御さんは...

繰り返しになるが「1人がやってしまった愚行は、全員の責任」となってしまう。日々、必死にトレーニングを積み、体を張り、日本一を目指してきた周囲の選手を慮ると、言葉が出ない。まして、今春から日大でプレーをすることを楽しみにしていた高校ラガーマンたちは今、何を思うのか...。

大学ラグビー界においては、過去にも同様の事件があった。2007年、当時は飛ぶ鳥を落とす勢いだった関東学院大で、複数の部員が寮で大麻を栽培していたことが発覚。当該部員らは逮捕され、以降、強豪に上り詰めていた同大ラグビー部はリーグ優勝から遠ざかっている。

筆者は、当時の大学ラグビー関係者にも取材をしたことがある。高校ラガーマンたちの親御さんは「息子が有名大学のラグビー部に入れた」と喜んでいたが一転、「そんな大学なら入れさせない」と憤った。ご両親としては、当然の心情だろう。

当時の関東学院大関係者は、入学が決まっていた高校生たちの新たな「受け皿」大学を探すべく奔走した結果、より多くの高校生たちを受け入れてくれたのが帝京大だった。ここから、帝京大が前人未到の大学選手権9連覇を成し遂げた。何とも、皮肉な話である。

2028年に迫った日大ラグビー部創部100周年、またその入部に向け、期待に胸を膨らませながら日々の鍛錬を重ねてきた高校ラガーマンたちの心情を考えると、やるせなく、悲しく、涙が出てしまう。

(J-CASTニュース編集部 山田大介)