「よっ、待ってました」貴乃花親方のおとぼけ審判が新名物になる?

新大関・栃ノ心(30)誕生で連日、両国国技館に歓声が鳴りやまない。5月13日から始まった大相撲夏場所も、いよいよ大詰めだ。

 土俵上の優勝争いとは無縁なところでもう一つ、場内に熱い拍手が沸き上がる。3月末の新職務分担で審判部に配属された貴乃花親方(45)が花道に現れ、土俵下の審判席に着席する時だ。
 昨年11月に始まった一連の騒動の責任を問われたほか、理事選にも落選して理事から5階級も降格。現在は一番下のヒラ年寄で、大相撲界の序列は83番目。かつてはナンバー3の部長まで務めたことがあるが、目下、審判部でも最下位で、入場する時の序列も一番後ろ。
 まさに屈辱の場面だが、ファンの視線はまだまだ温かい。初日に登場した時も、「よっ、待ってました! 貴乃花」と掛け声とともに大きな拍手が起こり、騒然となった。
 貴乃花親方が審判を務めるのは、平成25年九州場所で当時の伊勢ケ浜審判部長(元横綱旭富士)が病気で休場し、その代理を務めて以来、およそ4年半ぶり。初日、目の前で愛弟子の貴ノ岩や貴源治が土俵にあがり、気の揉める場面もあったが、幸いにも2人とも快勝。土俵下の貴乃花親方は無表情を装いながらもどこかホッとした表情で、そのあと幕内の取組のビデオ係も務め、9時間にも及ぶ勤務を無事に終えた。

 「特に変わったことはありません」
 淡々と話し、足早に国技館をあとにした貴乃花親方。
 ただ、気になる動きもあった。5日目、三段目の取組で初めて正面に座り、物言いがつき説明係を務めた時のことだ。この日は2度も物言いがつき、2度目の軍配差し違えの説明では、
 「西方力士に軍配があがりましたが、東方力士の勝ちにします」と、明らかに手抜き。
 「なんで(軍配が)変わったのか、理由が分からない。ちゃんと説明しなさいよ」
 こんな痛烈なヤジも飛んだのだ。このやる気がないような説明に、同じ一門の阿武松審判部長(元関脇益荒雄)は次のようにカバー。
 「これから修正していくでしょう」

 とはいえ、この異常な人気といい、どこか気合いの入っていない態度といい、任命した八角理事長としては気になるところ。
 “おとぼけ貴乃花親方”の存在が大相撲の新たな名物となりそうだ。協会としては痛しかゆしというところだろう。

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