第3次原巨人で始まった阪神、中日、横浜…「監督交代」ドミノ倒し

巨人・高橋由伸監督の今季限りでの退任が決まり、今季のストーブリーグが幕を開けた。巨人を発生源とする嵐は阪神、中日、横浜にも飛び火し、監督交代ドミノが一気に加速する。

 就任以来3年連続で広島カープの独走を許し、今季は12年ぶりの負け越しと3位以下が確定。球団史上ワーストタイとなる4シーズン連続V逸の責任を取り、辞任を申し出た高橋由伸監督(43)。後任には、リーグ優勝7度、日本一3度の実績を持つ原辰徳前監督(60)の招請で親会社、球団とも一本化している。

 しかし、なぜ基本線だったはずの“由伸続投”から180度転換したのだろうか。球界の事情通が語る。
「神奈川県相模原市出身の原氏の元には、同じ県内の横浜DeNAに加え、千葉ロッテの買収を目論む株式会社ZOZOの前澤友作社長からも監督就任要請があったようです。巨人首脳は、このまま高橋監督続投なら原氏の流出は避けられないと危惧した背景があります」

 危機感を抱いた理由は、ソフトバンクグループの孫正義会長が前澤氏の経営手腕を評価し、球界進出の後ろ盾になっていることだ。

 そのソフトバンクは自動運転の実現を目指し、移動サービス事業でトヨタと共同出資会社を設立。スマートフォンで乗り合い車両を呼ぶなどのサービスを展開する。通販サイトで成功を収めている前澤氏との連携も視野に入れているという。

 「月旅行に1000億円を注ぎ込む前澤社長にすれば、新球団の目玉として、仮に契約金10億円を払ったとしても、原氏を監督に迎えてドリームチームを作るのは容易でしょう。そうなると選手年俸の価格破壊が起こり、巨人としても他人事ではない。孫氏は巨人を去った王貞治氏を監督に迎えて今日の福岡ソフトバンクの隆盛に繋げました。今度は前澤氏が原氏で…。巨人はそれを最も恐れているのです」(スポーツ紙デスク)

 ともあれ、巨人の来季体制が決まったことで、セの他球団もドミノ式で新陣容に移行する。期待されて監督就任3年目を迎え、高橋監督同様に3季連続でV逸。それでも続投の方向だった阪神・金本知憲監督(50)も他人事ではなくなった。

 球団は金本監督“退陣説”の火消しに躍起で、テコ入れに、就任1年目ながら若虎をウエスタンリーグ優勝に導いた矢野燿大二軍監督を一軍ヘッドコーチ格に昇格させ、元中日の和田一浩氏を招聘する。今季の打撃不振の責任を取り、現一軍ヘッドの片岡篤史氏を来季は二軍監督に配置転換するが、金本・矢野・和田氏はいずれも東北福祉大出身で、まるで流行の“オトモダチ内閣”。しかも揃って外様だ。

そんなタイミングの中、虎党にして、ノーベル医学生理学賞を受賞した京都大学特別教授の本庶佑氏がTBS系の情報バラエティー番組『ビビット』に出演。同じく虎党の堀尾正明アナウンサーから「阪神タイガースの再建案」を問われ、「指揮官の交代です」と生放送でズバッと一刀両断した。

 本庶氏は京都の文化人で作る阪神の元監督・岡田彰布氏の個人後援会『メンバーズ80・岡田会』の会長だ。「指揮官の交代」発言の意図が透けて見える。

 巨人・高橋監督が潔くユニホームを脱いだことで、同じ境遇の金本監督も動揺は隠せない。阪神OB会も広島、中日出身者中心の来季布陣に反発しており、本庶教授の「声」に乗っかる形で岡田氏担ぎ出しが水面下で進行している。血の気の多い熱血監督だけに、ケツをまくって辞表を叩きつける可能性は十分にある。

 よく分からないのが、6年連続Bクラスが決定した中日。森繁和監督の解任は決定的だが、その背景に巨人の“森氏強奪”の動きがあるというからややこしい。解任が決まった鹿取義隆GMの後任に、原新監督の“ご意見番”として据える作戦という。今オフ、中日はビシエド内野手とアルモンテ外野手が揃って国内他球団に移籍する可能性があり、森氏ともども巨人が引き抜くか、注目が集まっている。

 その動きを察知した中日は、予定していたOB山本昌氏への監督要請を一時保留し、巨人の二軍監督退任が決まった川相昌弘氏の一本釣りを画策。一方でOBの与田剛氏、あるいは西武、ロッテで監督を務めた伊東勤氏の擁立案も浮上している。いずれも森監督を編成トップとしてフロント入りさせ、球団内に抱え込もうという意図が見て取れる。

 一方、原氏獲得を巨人に横恋慕され、「ハマの番長」三浦大輔氏にスイッチしかけた横浜DeNAでは、ここにきてラミレス監督の続投に傾いていることが判明。一部には中畑清前監督の再登板を推す動きもあった。

 監督復帰を熱望する中畑氏は、巨人監督の目が消えたことに加え、第2希望の東北楽天も平石洋介代行の昇格が決まり、横浜も絶望的…。行き場を失った格好だが、残り物には福があるとはよく言ったもので、最も資金力のあるZOZO新球団ができれば最有力。

 今季のストーブリーグはまだまだ動きがありそうだ。

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