貴ノ岩「暴行事件」で問われる相撲協会トップの指導力不足と“責任論”

貴ノ岩「暴行事件」で問われる相撲協会トップの指導力不足と“責任論”

(提供:週刊実話)

なんとも後味の悪い結末だ。1年前の悲惨な暴行事件の「被害者」が、一転して「加害者」になり、引退に追い込まれたのだ。

 自分の付け人に暴力をふるった幕内力士・貴ノ岩(28=千賀ノ浦部屋)は、事件発生から3日後の12月7日に引退会見を開き、「自分の気持ちの弱さ。自覚が足りなかった」と頭を下げた。自分に暴行を加えた元横綱日馬富士と同様、潔く引退して幕引きを図ったわけだが、相撲界が負ったダメージは本人の想像以上に大きい。

 「伝統的な体罰、いわゆる“かわいがり”による暴行死の発覚以来、相撲協会は表向き暴力の根絶に取り組んできた。しかし、その後も全く暴力事件を止めることができていない。大相撲界の暴力に対する認識の甘さを改めて浮き彫りにしたわけで、相撲協会のメンツが吹き飛ぶ事件になりました」(スポーツ紙記者)

 相撲協会は、今年の10月末に7項目からなる「暴力決別宣言」を発表。現役力士はもちろん、親方や行事、床山まで含めた全協会員を戒めたばかりだったのだ。

 こうなると、浮かび上がってくるのは八角理事長の指導力不足と責任論だ。
「協会首脳は、すぐに『オレたちはこんなに努力している。これ以上どうすればいいんだ』と開き直るけど、どこまで真剣に取り組んでいるのか甚だ疑問です。八角理事長は、理事長室の奥に引っ込んでいるだけで、先頭に立ってみんなを引っ張っていこうという姿勢が見えない。事態が改善し、完全に暴力がなくならないかぎり、努力していないのと同じ。結局、トップの指導力がないと言わざるを得ない」(協会関係者)

 問題改善に取り組んでいる最中、この1年あまりで、日馬富士、貴公俊、貴ノ岩と、3回も暴力事件が繰り返されているのだ。一般企業のトップであれば、とうの昔にクビが飛んでいる。

 今回の事件発覚後も、八角理事長は、引退を決意した貴ノ岩を、「ちょっと待て。本当にそれでいいのか」と再三引き留め、自らに降りかかる火の粉を振り払うのに必死だったという。

 「角界の暴力根絶を本気で願い、八角理事長を恨みながら退職した元貴乃花親方にしてみれば、『ほら見たことか』という心境でしょうが、この1年のすべての暴行事件に自分の弟子が関わっているため、表立って協会を批判することもできません」(前出・記者)
 皮肉な“運命”だ。

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