「ふるさと納税」自治体と総務省のイタチごっこが続く

数千円を寄付するだけで、豪華な返礼品を受け取れる「ふるさと納税」制度は、納税者のみならず、返礼品を提供している地方の事業者にとっても恩恵が大きい。庶民の“裏楽しみ”ともいえる「ふるさと納税」だが、「返礼品は寄付額の3割以下」という国の通知を受けた自治体が、返礼品の低額化に走った結果、寄付金が減る事態を招く自治体も出てきた。

 総務省は、自粛を求める通知を全国自治体に送ったが、見直す意思を示さなかった大阪府泉佐野市や佐賀県みやき町など12の自治体名の公表に踏み切った。ところが、
「名指しされた自治体は、寄付が集まらないのではと予想されたのですが、実際には返礼割合が高いと逆に総務省が全国に宣伝してくれたことで、一部の自治体では寄付が急増しています。とはいえ、三重県志摩市や鳥羽市は、国から真珠製品などの取り扱いをやめるよう求められたことが影響し、19年度の一般会計当初予算案を前年度より低く見積もらざるを得ない状況でした」(ふるさと納税に詳しいライター)

 さらに、総務省通知の抜け穴を突く手法も登場している。
「食品などの返礼品と合わせて、寄付額に応じてインターネット通販大手のアマゾンの『ギフト券』を送り、実質的な返礼割合が3割を超えるようにする自治体が出てきたのです。各自治体の返礼品を載せる一部のポータルサイトが、キャンペーンと称し自治体に知恵を付けて支援したこともあり、同手法は一気に拡散しました」(同・ライター)

 昨年末、これに驚いた総務省は、こうした抜け穴を「不適切」と指導し、違反した自治体名を公表する結果となった。
「それまでもポータルサイト上では、『ポイント還元10倍』などとして、寄付額に応じて独自のポイントを期間限定で付与するといったサービスも横行しており、ギフト券を規制したところで、ポータルサイト運営企業の方が総務省より一枚も二枚も上手ですから新手のサービスが出てくるでしょう」(同)

 もはや「イタチごっこ」の状態だ。

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