本誌独走! プロ野球「全公式戦取り止め」最悪シナリオ

本誌独走! プロ野球「全公式戦取り止め」最悪シナリオ

(提供:週刊実話)

プロ野球が、開幕しないまま閉幕へ――。

 東京オリンピック組織委員会は3月30日に理事会を開き、世界的な新型コロナウイルスの感染拡大を理由に2020年7月の開催を断念、1年延期する案を緊急協議するという。政府、財界も「延期案」に賛同しており、それに向けて動き出す模様。これに伴い、プロ野球の公式戦開催も困難に…。

 新型コロナウイルスの感染拡大による影響が懸念される東京五輪について、アメリカのトランプ大統領が「無観客など想像できない。1年間延期した方がよいかもしれない」と発言。これを受けて東京オリンピック・パラリンピック組織委員会が雪崩を打つように7月開催断念へ舵を切り、プロ野球の今後にも波及している。

 感染症の専門家チームから助言を受けたプロ野球の斉藤惇コミッショナーは、「4月24日開幕」の準備を進めてきた。しかし、大きな壁となって立ちはだかるのが、3月30日の東京五輪組織委員会理事会だ。理由は、ここで「東京五輪の1年延期」が俎上に乗るからで、五輪すら延期となれば、プロ野球の公式戦の行方もおのずと見えて来る。

「五輪の中止・延期を決めるのは、国際オリンピック委員会(IOC)ですが、日本が主体性を持って延期を主張すれば、中止だけは回避できるでしょう。たとえ5月までに新型コロナの国内感染が終息しても、世界的に広がる中、すべての国や地域が参加できない可能性があります。また、中国、イタリア、アメリカなどが選手団の派遣を見送るケースも…。そういう状況になれば、中止は避けられません。そこで組織委員会は、中止による損失を少なくするための代替策として『1年延期案』を用意しているのです。変更には各国IOC委員に根回しする必要があり、3月末がタイムリミットになります」(全国紙の五輪取材記者)

「1年延期案」は、IOCに大きな影響力を持つ米放送大手のNBCユニバーサルに人脈を持つ五輪組織委の髙橋治之理事が事前に根回しをし、12日にトランプ大統領も冒頭のように発言、支持を引き出していた。

 呼応するように、これまで「予定通り」を強調してきたIOCのバッハ会長も「WHO(世界保健機構)の助言に従う」とトーンダウン。WHOのテドロス事務局長が「パンデミック(世界的流行)と呼べる状態だ」と宣言すると、安倍晋三首相も「IOC、WHOと緊密に連絡をとり、連携していきたい」と応じ、東京五輪延期の流れができた。

 新型コロナ感染防止でプロ野球と東京五輪は連携しており、一方だけの中止というのはありえない。東京五輪が中止・延期となれば、運命をともにするプロ野球も今シーズンの開催を断念せざるを得ない。とどのつまり、プロ野球の開幕は「五輪組織委員会の決議次第」という構図なのだ。

「IOCは新型コロナの世界的な感染拡大を理由に東京五輪を延期するわけで、プロ野球が勝手に開幕すれば、軋轢が生じるのは間違いない。どのような形であれ、感染者が確認されれば、チームにとどまらず、一斉中止は不可避となる。ただ、延期開催が決まっても、野球が除外される可能性もある」(スポーツ紙デスク)

 その場合、考えられる「最悪のシナリオ」が、一旦開幕した後の中断、公式戦打ち切りだ。開幕に踏み切った以上、新型コロナに責任を押し付けることは出来ず、各球団は年間スポンサー料、年間指定席料など様々な返金を求められる。一方、IOCが「五輪中止」を決めた後なら、シーズンをそっくり取り止めても、緊急事態とみなされるため理解が得られるのだ。

 世界規模でメジャースポーツが次々に中止を決め、プロ野球を取り巻く環境は、日毎に厳しさを増している。国内感染者が1万7000人、死者が1200人を超えたイタリアでは、サッカーの名門ユヴェントスの選手から陽性反応が出たため、リーグ戦が中断。イギリスでも、プレミアリーグ・アーセナルのアルテタ監督やチェルシーの若手選手に陽性反応が出たため、濃厚接触した選手やスタッフは隔離措置がとられたほか、欧州チャンピオンズリーグやヨーロッパリーグなどの主要大会も延期と決まった。

「米国のプロバスケットボール(NBA)でも、八村塁と激しく競り合ったジャズの選手の感染が確認されたため、翌日から全試合が中断されました。北米アイスホッケーリーグ(NHL)とメジャーリーグ・サッカー(MLS)もシーズン中断を発表し、プロ野球が追随するメジャーリーグ(MLB)も最低2週間の開幕延期を発表しています。先の展開は不透明のままです」(現地記者)

 世界中を転戦するF1も、今季第1戦オーストラリアGPが中止になったばかり。

 五輪組織委員会が、延期案の結論を先延ばしにした場合、プロ野球は4月24日に開幕し、クライマックスシリーズ短縮で乗り切る方針だ。しかし、政府は混雑する大型連休を回避させる考えで、開幕は5月のゴールデンウイーク明けとなるのが濃厚だ。さらに政府は「緊急事態宣言」を可能にする「インフルエンザ等対策特別措置法」を施行。都道府県知事が野球場などの大人数が集まる施設の使用制限や外出自粛などの要請ができるように法改正したばかりだ。

 大観衆の見守る中でプロ野球が開幕するには、特効薬の開発を待つほかないのか…。

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