プロ野球「途中打ち切り」緊急事態 現実味を増す幻の巨人V

新型コロナの影響で今季のプロ野球が打ち切りになる可能性 打ち切りなら今季は無効か

記事まとめ

  • 福岡ソフトバンクホークス・長谷川勇也のコロナ感染が分かり、西武戦が中止になった
  • 途中打ち切りが現実味を増しており、そうなればシーズン全体が無効になるという
  • その場合は選手年俸を見直すいい機会になるため、巨人は協議に否定的ではないらしい

プロ野球「途中打ち切り」緊急事態 現実味を増す幻の巨人V

プロ野球「途中打ち切り」緊急事態 現実味を増す幻の巨人V

(提供:週刊実話)

アメリカのメジャーリーグ(MLB)で、選手が新型コロナウイルスに集団感染したため、打ち切りが濃厚になった。日本のプロ野球も対岸の火事ではない。すでに打ち切った場合の、優勝チームの扱いの検討を開始。まだ全120試合の半分も消化していないため、シーズン無効案が有力だ。独走巨人の“幻の優勝”が現実味を増してきた――。

 東京都の小池百合子都知事は8月1日、東京で新たに472人を数える新型コロナウイルス陽性者が確認されたと発表。400人を超えるのは2日連続で、7月の合計は6466人となり、感染拡大に歯止めがかからない状況が続いている。

 東京以外に、大阪、愛知、福岡などでも感染が急激に進んでおり、小池都知事は「これ以上、状況が悪化した場合には、都独自の緊急事態宣言を打たなければならない」と発言していた。

 これを受けて、球界に激震が走っている。プロ野球は当初、政府の方針に沿い、8月1日から観客数の上限の引き上げを予定していたが、引き続きこれを8月末まで5000人としたばかりだが、試練はこれからだ。

「都独自とはいえ、緊急事態宣言が発令されれば無観客だけでは済まない。東京都医師会の尾崎治夫会長が『今が感染拡大を抑える最後のチャンス』と警鐘を鳴らしたこともあり、4、5月のような開催中止が避けられない。そうなれば、東京に本拠を置く巨人、ヤクルトにとどまらず影響は出る。今季のセ・リーグは巨人のぶっちぎりVが濃厚なだけに、球界首脳はことさら難しい対応を迫られている」(スポーツ紙デスク)

 各球団と日本野球機構(NPB)は、オンラインで“有事”についての協議を開始した。テーマは、コロナの感染拡大の影響でやむを得ずシーズンを打ち切った場合、優勝チームの決定方法と個人タイトルの扱い、選手の年俸支払い…。プロ野球の歴史上、今回のような不測の事態はなく、球界の憲法ともいえる野球協約や球団と選手が交わす統一契約書に対応する条文もない。取り急ぎ改定しないことには前へ進めないのだ。

「仮に打ち切りになった場合の一番の難題は、今季の扱いをどうするか。中止時点の順位を最終結果とするのか、シーズン全体を無効にするのか。消化試合と残り試合などを考慮して判断する案が有力ですが、その線引きも難しい。今季は143試合の日程を120試合に短縮して開幕し、まだ3分の1程度を消化しただけ。これでは、無効が有力です。そうなれば個人タイトルも宙に浮き、選手年俸の査定にも響きます。FA権獲得の日数計算も微妙となり、難儀を極めているのです」(セ・リーグ球団関係者)

 本来なら、リーグの首位を走る巨人、ソフトバンクが「何がなんでも反対」しそうなものだが、そうでもない。選手の年俸問題が重くのしかかっているからだ。

「有事を想定した条項がないため、今季の選手年俸は契約通りに支払われる。しかし、無観客試合や試合数減に伴う各球団の赤字は数十億円規模になることが予想されており、コロナの影響は今季だけでは済まない。ソフトバンクの今季の選手総年俸額は42億円(12球団1位)、巨人は36・6億円(同2位)。来季もこれをベースに選手給与が支払われれば、金満球団とはいえ、経営が相当圧迫されるのは間違いない。だが、シーズンが無効になれば選手年俸を見直すいい機会となるため、両球団とも今季の扱い協議に否定的ではない」(前出・デスク)

 MLBでは先週、マーリンズの選手やコーチ合わせて13人の感染が判明。この影響で、7月27、28日の対オリオールズ戦が中止になり、26日までマーリンズと3連戦を行っていたフィリーズも、30日までのヤンキース戦を中止した。

 これを受け、ロブ・マンフレッドMLBコミッショナーは選手会に対し、「あるチームが選手たちを欠き、競争力を失った場合は問題で、シーズンの一部か全部を打ち切る可能性がある」と伝えた。打ち切りとはならなくとも、クラスター化を恐れる選手の出場ボイコットが予想され、7月23日に開幕したばかりだが、全日程を完遂するのは難しい状況になっている。

 日本のプロ野球も他人事ではない。

 先週だけでも、ソフトバンクの本拠地ペイペイドームで場内案内業務に従事していた20代のアルバイト男性がPCR検査によりコロナの陽性と判明。さらに8月1日には長谷川勇也外野手のコロナ感染が分かり、翌日の西武戦が中止になったばかり。6月19日の開幕以来、選手の感染が判明したのは初めてで、選手やスタッフはPCR検査を受けてはいるものの、クラスター化する可能性もあり、全球団が気を揉んでいる。

 中日の本拠地ナゴヤドーム前のドラゴンズショップで働くアルバイト従業員も、感染検査で陽性であることが確認されている。

 また、オリックスでも、7月27日までチームに同行していた球団職員の感染が判明。こちらは同居する家族がコロナに感染したことが分かっているが、このように試合を続ける限り、2次感染、3次感染拡大の可能性はなくならない。

 今季のプロ野球は、来夏の東京オリンピック開催のテストケースでもある。万が一、クラスターが起きれば、五輪中止決定の引き金にもなりかねない。NPB首脳が有事発生の前に幕引きを検討するのもそのためだ……。

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