宇良の「アクロバット相撲」目当ての観客急増中

大相撲名古屋場所9日目(愛知県体育館)に、前頭4枚目の宇良が横綱の日馬富士を破り、うれしい初金星を挙げた。


宇良が立ち合いに低く頭で当たり、日馬富士の右手を手繰り寄せると、そのまま土俵際で左に回り込みながら“とったり”を決めた。


「とったりは、多分狙っての技でしょう。前日に白鵬を相手にまわしを取って見せるなど、実力があるところを証明しました。レスリング出身とあって、居反りなど技の多彩さばかりが注目されているが、今場所の残りはもちろん、これからも台風の目となっていくのは間違いないでしょう」(相撲ジャーナリスト)


インタビュー室に戻った宇良は、大粒の涙を流し「自分の相撲を取ろうと思った。力を出すのが精いっぱいでした。体が勝手に動いた。(勝った瞬間は)信じられなかった。(言葉が)出てこない。力を出し切れてよかった」と語った。


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10勝が目標ライン

鶴竜と稀勢の里の2横綱が怪我で休場し、いまひとつ盛り上がりに欠ける名古屋場所だったが、宇良が注目の力士として名乗りを上げた。宇良は25歳で2015年3月場所が初土俵。173センチと小柄ながら、レスリングの経験を生かした撞木(しゅもく)反り、居反り、足取りなどの珍しい技を繰り出す取り口の相撲が“アクロバット相撲”と評され、入門前から注目されていた。


入門記者会見では報道陣100人が詰め掛け、「どんな技を繰り出したいか」と質問が飛ぶ異様な光景が繰り広げられた。


「この場所で10勝を挙げれば間違いなく技能賞か殊勲賞となるでしょう。同時に三役へ確実に上がることができるはずです。小兵力士の意地を見せてほしいものです」(同・ジャーナリスト)


白鳳が歴代最多通算勝利記録を出して盛り上がるのは想定された通り。ただし、こんな声もある。


「休場した稀勢の里、鶴竜らの不運は置いておくとしても、見所は若手の台頭くらいしかない。信じられないことですが、宇良の取り組みを終わると帰る客がちらほらと出てきました。少しまずい傾向です」(同・ジャーナリスト)


満身創痍の稀勢の里にかわって、“技のデパート”で未完の大器の宇良が大相撲の客を呼ぶ。それは相撲界にいいことかどうかはまた微妙な話ではある。


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