伊調馨の国民栄誉賞受賞をきっかけにレスリングのマイナー競技からの脱却を

伊調馨の国民栄誉賞受賞をきっかけにレスリングのマイナー競技からの脱却を

(C)Shutterstock

伊調馨(32)の国民栄誉賞受賞は、女子レスリングが低迷するきっかけになるかもしれない。


「女子個人種目で史上初の4連覇を成し遂げたことで、国民栄誉賞の授与が決定しました。リオデジャネイロ五輪直前の6月に足首を痛め、秘密で入院していた経緯など、伊調は余計なことは一切喋らない性格で、その忍耐強さも同時に評価されたようです」(体協詰め記者)



これと前後してレスリング協会が発表したのが、吉田沙保里(33)の代表コーチ兼任での現役続行だ。


吉田と伊調の二枚看板で、東京五輪の女子レスリングを盛り上げていこうという思惑があるようだが、両者の年齢から「吉田の金メダル奪回と伊調の5連覇は厳しいのでは?」という声も、当然ながら出始めている。


「吉田への代表コーチ就任要請は、リオ五輪の現地で行われていましたた。金メダルを逃した直後に、吉田が現役続行かどうかを記者団に質問され、曖昧な返答しかしませんでしたが、吉田本人の中には、リオでの引退という選択肢もあったようです」(同)


リオでの敗北が、逆に引退に傾きかけていた吉田を引き止めたとも言えそうだ。しかし、その吉田に4年後の東京大会での勝機があるかと聞かれれば、簡単にあるとは言えない。


「吉田を破ったヘレン・マルーリス(25=アメリカ)は25歳。それ以外にも世界では若い選手が育っています」(同)


吉田は復帰戦を決めていない。伊調も同様で、当面は無期限の休養に入り、五輪で酷使した体を休めるという。


「レスリング協会は、伊調の国民栄誉賞受賞が決まったとき、『吉田、伊調の冠大会ができれば』と話していました。レスリングはジュニア世代の選手人口が少ないマイナーな競技であり、まだまだ吉田と伊調の名前を生かしていなければ、その域から脱することはできません」(関係者)



吉田と伊調が復帰するのは、東京大会の出場権が関わり始める2018年ごろが予想される。しかし、リオ五輪のメダリスト以外の選手が代表選手の多くを占めれば、女子レスリングを各メディアで取り上げられる機会の損失に繋がってしまう可能性もある。レスリングが盛り上がるのが4年に一度だけでは、いつまでもマイナー競技から脱却はできない。


国民栄誉賞が授与されたいまだからこそ、伊調は様々な大会に出て、レスリング協会はライバル選手にも注目が集まるように画策するべきであろう。


レスリングは、2020年の五輪が東京開催に決まる前に、一度は中核競技から外されてプレゼンテーションを経て復帰したという経緯がある。この機に競技人口の底上げしないと未来が危ない。

関連記事(外部サイト)