皇治の人生相談! 6・27RIZIN大阪大会は「俺と闘いたいってヤツを寄せ集めたボランティア」

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K−1のトップファイターだった皇治(こうじ/32歳)が、突如、RIZINに主戦場を移したのが昨年9月のこと。移籍を発表したRIZINの記者会見で、皇治はこう言った。

「大切なファンに、新しい景色を見せると約束した。漢(おとこ)は言ったことを貫こうと思い、ここへ来た」

そんな皇治は、格闘技界随一のモテ男でもある。複数の美女とのデート現場を写真週刊誌にスクープされる現役ファイターは、皇治以外に見当たらない。

6月27日(日)に地元・大阪の丸善インテックアリーナ大阪で開催される『Yogibo presents RIZIN.29(以下、RIZIN.29)』では、RIZINの榊原信行社長に直談判し、ワンナイトのキックルールトーナメント(61kg契約)を実現させた。出場選手は、皇治と3名の若手選手で、「俺が中心で、このコたちは俺の脇役」と言い切る。

ファイターとして、男としての生き様は愚直なほど真っ直ぐに、しかし女遊びは自由気ままに――、そんな"浪速のエンペラー"皇治に訊く、5人の男たちからの人生相談。はたして、どんな回答が返ってきたのか?

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【相談1】写真週刊誌に何度も美女とのデート写真を掲載されている皇治選手に相談です。いったいどうすればモテるようになりますか?(30代・男性)

これは簡単やね。自分の言ったことを実行していく、それだけでモテるようになるよ。

何だっていい、例えば「有名になってお金持ちになる!」という目標を立てたとする。そしたら、その目標に向かってどれだけ必死になれるかで人の心は動かせる。必死こいてる姿を見せれば、周りが応援してくれるし共感もしてくれるよ。いくら大風呂敷を広げたって、何にもしていないヤツは誰にも相手にされないやろ?

世間から見たら、タワマンに住んでるIT社長は派手でカッコ良く見えるかもしれないけど、家族を幸せにするため、たとえ今は団地に住んでいても、必死に働いて軽トラ買って、子どもたちと一緒に遊びに行っているお父さんのほうが俺にはカッコ良く見えるね。夢が大きいか小さいかじゃない。いかに自分が言ったことを実行できるか、そういう男がモテるんだよ。

女性にはどう接するのがいいかって? それは、嘘をつかないこと。これに尽きるよ。俺はいつも、ありのままに言うてるから、「俺は男で、ライオンやからな」ってな。

考えてもみてよ、もしアフリカにいるライオンが他の動物を襲って肉を食わなかったら、それはもうライオンじゃないでしょ? それと一緒で、俺は男でライオンやから、肉も食うし、派手に自由に生きる。その代わり、命がけで家族や仲間を守るし、お前にも楽しい思いをさせる。だけど俺はモテるから、お前だけのものになるわけにはいかない。それでいいなら、お前も俺の傍(そば)におれと。

......でも正直に言うと、俺もそろそろ家族は欲しいんですよ。家に帰ったら、あったかいご飯があって、子どもがいて、家族のために闘う人生。それはもう少しでスタートさせないと男らしくないとは考えてますけど。ただ、本当にモテるんでね、なかなかひとりの女性に決められない(笑)。自分では、もうちょっと独身を楽しもうと思ってます。

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【相談2】皇治選手は、K−1からRIZINに主戦場を移しました。その際に都内に戸建てが建つくらいの違約金までK−1側に払ったとのこと。それでも自分の思いを貫いた結果、1年経たずにRIZINの主要人物の一人になっています。一説によると、皇治選手が主戦場を変えたのは、那須川天心vs武尊を実現させるためだったとも言われています。実際、今、そんな話が具体化してきています。どうすればそんな生き方ができますか?(20代・男性)

最初に言っておくと、天心vs武尊の件に関しては少し語弊がありますね。

たとえばプロ野球ならセ・リーグとパ・リーグがあって、その優勝チームが日本シリーズで日本一をかけて年に一度闘うから盛り上がる。それが格闘技界ではRIZINとK−1やと思うんですよ。両方ともに素晴らしい選手がいるわけやしね。その中で今、それぞれのトップである彼ら(天心と武尊)がやればいいって俺は言ってるだけなんですよ。

けっして彼らのために動いたわけじゃない。まずは彼らが闘うこと、そうすれば格闘技界はもっともっと大きくなるやろと。そのためには皆がそれぞれリスクを背負って動かないと。リスクはあったけど、リスクを背負ってでも動くのが男かなと。

なぜ動けるのかって? それはキレイごと抜きに、これだけ応援してもらえているからですよ。もし俺ひとりだけの問題やったら逃げまくります(笑)。俺も人間だから、サボリ癖はあるし悪いところもたくさんある。それでも応援してくれる人はいるし、こうやって俺を取材してくれて写真を撮ってくれる人もいる。ホント、奇跡に近い話ですよ。

だったら、そういう人たちがいる限りは、その人たちがちょっとでも喜んでもらえるように動くのが男だと思うんで。キレイごとを言わせてもらえるなら、みんなのために俺は動くんです(笑)。

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【相談3】昔から格闘技を観るのが大好きです。10年くらい前までは、毎月のようにゴールデンタイムで格闘技の大会が放送されていたのに、最近はめっきり開催回数が減ってしまいました。コロナ禍だけが原因ではないと思います。格闘技界はどうすれば盛り上がっていくと思いますか?(50代・男性)

選手がみんな、一匹狼になることじゃないですかね。

俺たちはなんぼスターになったとしても、結局は格闘家。馴れ合いはダメでしょ。格闘家って孤独やし寂しいし、俺も人間だからひとりでも多くの人に賞賛されたい。でも、馴れ合うのは引退してからでいい。俺みたいな一匹狼が増えてったら、格闘技界はメジャーになると思います。

この国には、出る杭は叩かれるっていう風潮があって、誰も出る杭にはなりたがらないけど、プロなんやから嫌われる勇気を持ってどんどん行動していかないと。実際今でも、朝倉兄弟なり天心君がいる。彼らは、いかに他人とは違うことをするかを考えているから、スターになっているわけやしね。

振り返れば魔裟斗さん、須藤元気さん、山本KID徳郁さん、小比類巻貴之さんの時代は、日本人だけでも一匹狼がたくさんいて、みんな個性を出してたじゃないですか。そういう選手が増えていけば格闘技界は変わっていくと思います。いや、そんな時代が来るのはもうすぐだと思いますけどね。

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【相談4】プロの格闘家です。皇治選手は、来る6月27日に大阪で開催される「RIZIN.29」でキックボクシングのワンナイトトーナメントを提案したそうですね。メンバーを聞いたら、皇治選手より知名度の低い選手(橋亮、梅野源治、白鳥大珠)ばかりでした。皇治選手にとって、勝ってもメリットが少ない気もします。それでも、なぜそういった試合を提案したんでしょうか? もちろん勝てると判断したからだとは思いますが、それだけとは思ません。今回のような踏み出し方をする理由と、なぜ今回のような試合の選択をしたのか。理由を教えてください。(20代・男性)

目的はただひとつ。格闘技界を盛り上げたい、それだけ。

俺もこれまで、いろんな選手に噛みついて、挑戦させてもらいながらここまできた。今、俺はチャンピオンじゃないけど、気がつけばチャンピオンよりデカいものを手に入れたと思う。みんな、俺と闘いたいって言うしね。

だから、そんなに俺の知名度がほしいなら、相手をしてやるよって。でも、俺のカラダはひとつしかないわけやから、ワンマッチをするより、そういうヤツらを寄せ集めてワンナイトトーナメントをやったほうがおもしろいんかな、と思ったんです。要はボランティアですよ(笑)。俺は、若いヤツらにスポットライトを当ててやる照明係みたいなもん。

でも、言っておきたいのは、照明に照らされている人間が明るいんじゃなくて、一番明るいのは照明やから。俺は誰にも照らされなくても光ってるからね。

ワンナイトキックトーナメントの出場4選手と(左から橋、皇治、榊原社長、白鳥、梅野)

今の格闘技界の若い世代のヤツらは口だけ。SNSで俺に絡んできたって、「お前は俺より何を持っているのか、俺より集客できるのか、俺より知名度があるのか、俺より話題性を作れるのか」って言ってやりたい。そもそも俺とやって勝ったことがあるならまだしも、それすらないじゃないですか。

俺は言いたいことは言ってたけど、ちゃんとチケットをサバいたし、話題性も作ったし、知名度もあった。それで実際に闘ってここに来た。誰にも文句は言われないですよ。今回だって、こっちが全部用意しているじゃないですか。だからまさにボランティアでしょ。

ただね、それでもなぜボランティア精神を持てたのかっていうと、それは俺が格闘技界に感謝しているからですよ。さっきも言ったけど、皆さんのおかげなんでね。格闘家として生きている限りは、RIZINの大阪大会に協力したい。どうやったら盛り上げられるかを考えたわけです。

ボランティアいうても、もちろん負ける気なんてさらさら無いですから。ワンナイトトーナメントは2回勝たないと優勝できないわけやけど、初っ端から本気で行くし。でも、1日に2回もおっさんと殴り合うなんてイヤやな(笑)。1試合目に勝ったらそのまま飲みに行こうかな? 観に来たファンのために、決勝戦は、モニターに俺が女の子と飲んでる姿を映してもらったらいい。伝説になるんとちゃいますか?(笑)

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【相談5】僕は卓球をやっています。最近、地元の大会で優勝し、燃え尽き症候群になっています。皇治選手は今回の「RIZIN.29」(6月27日、大阪)で実施されるワンナイトトーナメントに優勝したら、その次はどうしたいと考えていますか? 次の目標の作り方を教えてください。(10代・男性)

俺の中で大きな財産になったのが、去年の大晦日に五味隆典選手と闘ったこと。あの人とやれたから、「次に行こう、またやっていこう」と思えましたね。

ルールは特別スタンディングバウトで、事実上のボクシングマッチやし、五味選手の契約体重が78kgに対し俺は65kg。しかも、五味選手はMMAのレジェンドで42歳。未知のルールで、体重も年齢もキャリアも全く違う相手とやるのは、今までの人生で一番怖かった。

でも、やりたくてできる相手じゃないからね、五味選手とやれたのは無茶苦茶うれしかったよ。あの試合をやったことで、改めて闘いの本質を思い出させてくれたことに感謝してるし、ホンマに俺の財産になった。もちろん勝ちたかったけど(試合は判定で五味の勝ち)、そうやって今までとは違うことに挑戦していくことが、次へのモチベーションにつながるんじゃないですか。

五味隆典(右)と真正面からド突き合い、0−2の判定負けとなった昨年の大晦日

今の俺のモチベーションはね、RIZINがMMAの舞台と思われている世の中の認識を変えること。確かに、誰が何を言おうと、地上波の中継があるRIZINが、少なくとも日本の格闘技の舞台としてはナンバーワンなんです。でも、そこでキックが受け入れられていないのは歯痒い。

K−1からRIZINに来てホンマ、文化の違いを感じたから、そこに挑戦するのが俺の役目やと思ってます。RIZINを見ている格闘技ファン、MMAファンに、「皇治ええやん」じゃなくて、「キックええやん」と思わせたいんですよ。そのためには、燃え尽きてる場合じゃないよと。

人間は、少しだけでも視野を広げて別のことに挑戦したら、回り回って自分のやるべきことが見えてくるんちゃいますかね。

■皇治(Kouzi)

1989年、大阪府出身。身長173cm、体重58.5kg。所属:TEAM ONE。
日本拳法の師範であった父の影響を受け、4歳から日本拳法、空手を始める。プロ転向後は、地元大阪の様々なリングで試合をこなし、16年よりK−1を主戦場に。スーパーフェザー級の中心選手として武尊らと激戦を繰り広げる。昨年、RIZINに移籍。那須川天心、五味隆典と対戦している。
Twitter: @1_kouzi
Instagram:1_kouzi
YouTube:皇治チャンネル

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取材・文/”Show”大谷泰顕 撮影/真魚

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