アジア最終予選の組み合わせにセルジオ越後「カタールW杯最終予選は"帰化軍団"の中国がとにかく不気味だね」

日本としては、まず9月のホームのオマーン戦、アウェーの中国戦で好スタートを切りたいと語るセルジオ越後氏

どちらのグループが厳しくて、どちらのグループがラクか、そういう議論をするのは楽しいけど、結論を言えば、どちらも厳しくてラクじゃない(苦笑)。

9月に開幕する2022年カタールW杯のアジア最終予選、その組み合わせが決まった。7大会連続7度目の出場を目指す日本は、オーストラリア、サウジアラビア、中国、オマーン、ベトナムと同じB組に入った。

一方のA組はイラン、韓国、UAE(アラブ首長国連邦)、イラク、シリア、レバノンという顔ぶれだ。各組上位2チームが自動的に本大会の出場権を獲得。また、3位同士で一発勝負を行ない、勝者が大陸間プレーオフへ進出する。

確かに強豪のイラン、韓国と戦わなくて済むのは大きい。両国とも海外で活躍している選手がいるし、気持ちを前面に出した激しいプレーをする。日本が苦手なタイプで、特にアウェーは確実に難しい試合になる。また、中東勢がそろったA組に比べれば、B組は時差や距離など移動の負担も少ない。

ただ、だからといって、B組がラクかといえばそんなことはない。オーストラリアとの試合はいつも際どい展開になるし、それはサウジも同様で、実際、4年前のロシアW杯最終予選ではアウェーで0−1と敗れている。

そして今回、何よりも不気味なのが中国の存在だよ。これまでの中国は粗さが目立つサッカーで、日本からすれば確実に勝ち点を計算できる相手だった。

でも、今回は読めない。代表強化の一環として外国人選手の帰化に力を入れていて、5人の帰化選手をそろえている。ブラジル出身のエウケソン、アラン、フェルナンジーニョに加え、イングランド出身のブラウニング、イェナリス。いずれも2次予選で活躍した。

特にエウケソンは、ブラジル代表の招集経験もあり(試合には出場せず)、中国リーグでも2年連続得点王に輝いた実績があるだけに要注意だ。

さらに、この5人に続く帰化選手の招集も噂されているそうだ。たぶん、中国としては2002年日韓大会以来となるW杯出場を決めて世界にアピールし、近い将来のW杯招致に名乗りを上げる、そんな青写真を描いているんじゃないかな。

読者の皆さんの中には、中国のやり方はズルいと思う人もいるかもしれないけど、ルールで認められている以上、なんの問題もない。W杯ホスト国のカタールも同様に帰化選手を入れて強化を進めてきた。

また、日本もラモス瑠偉(ルイ)、呂比須(ロペス)ワグナー、三都主(サントス)アレサンドロ、田中マルクス闘莉王(トゥーリオ)と、ブラジル人の力を借りてW杯を目指してきた歴史があるからね。

帰化した選手はハングリーだ。自国では代表に選ばれないけど、帰化することで憧れのW杯に出られるかもしれない。そして、活躍すれば、自国では得られない報酬と名誉を手に入れられる。きっと中国の帰化選手たちも、目の前に大きなニンジンをぶら下げられているはずだ。

日本としては、まず9月のホームのオマーン戦、アウェーの中国戦で好スタートを切りたい。この2試合で勝ち点6を奪えるか。やっぱり日本には勝てない、そう思わせる必要がある。

そのためにも、東京五輪の結果が重要になる。メダルを獲(と)って、その勢いで最終予選に乗り込めるか。逆にもし惨敗すると、このまま森保監督に任せていいのかという不安を抱えてのスタートになる。それは怖いよね。

構成/渡辺達也

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