宮澤ミシェルが期待する、日本代表のラッキーボーイになれる存在は?「荒木遼太郎や小柏剛にはそういう匂いを感じる」

日本代表の「ラッキーボーイ」について語った宮澤ミシェル

サッカー解説者・宮澤ミシェル氏の連載コラム『フットボールグルマン』第232回。

現役時代、Jリーグ創設期にジェフ市原(現在のジェフ千葉)でプレー、日本代表に招集されるなど日本サッカーの発展をつぶさに見てきた生き証人がこれまで経験したことや、現地で取材してきたインパクト大のエピソードを踏まえ、独自視点でサッカーシーンを語る――。

今回のテーマは、日本代表について。W杯アジア最終予選では、苦戦を強いられていた日本代表。来年、彼らが流れを引き寄せるためにもラッキーボーイの登場に期待したいと宮澤ミッシェルは語る。

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日本代表にこれほどハラハラドキドキさせられた一年って、あまり記憶にないよな。

新型コロナ禍でW杯アジア2次予選の開催が延びたのもあるけど、やっぱり一番の理由は、9月から始まったW杯アジア最終予選だよ。初戦のオマーン戦にホームゲームで負けて、アウェーでのグループ内最大の強敵サウジアラビアにも叩かれてさ。

「これはもうダメかも」とは思わなかったけど、厳しい状況に置かれたよね。そこからオーストラリア代表に勝利して、11月のベトナム戦、アウェーでのオマーン戦にも勝った。勝ち星を4勝2敗に戻して、どうにかこうにか一息ついて年の瀬を迎えられるようにはなった。

でも、まだ日本代表がW杯出場切符を手にしたわけではないからね。年明け早々の1月末からふたたび臨むW杯アジア最終予選で勝ち星を積み上げなければならない。油断はできないよな。

難しいのがコンディションをどう揃えるか。9月にスタートした時もこの問題で足元をすくわれたからね。9月のときはJリーグ組がシーズン中で、海外組は開幕直後でコンディションが揃わなかったけど、今回は海外組はシーズン中でJリーグ組がシーズンオフ。海外組も冬の移籍期間で移籍することになれば、コンディションがどうなるかは不透明だからね。

森保(一)監督も日本サッカー協会もそれを理解しているから、1月にJリーグにいる国内組だけで合宿をやって、1月21日にはキリンチャレンジカップでウズベキスタン戦と戦うことにしたんだよな。

やれること対策はすべてやる。そういう意志が感じられるよ。1月合宿の日本代表メンバーに選ばれている選手は年末年始も返上で体をつくらないといけないから大変だろうけど、しっかり高めていってもらいたいね。

大迫勇也、酒井宏樹、長友佑都にはもう一度バシッとフィジカルを整えて復活してもらいたいし、武藤嘉紀あたりはW杯代表入りに向けて道を切り拓くチャンスだと受け止めてるんじゃないかな。フィジカルも強くて献身性の高いプレーもできる選手だから、その後のメンバーに名前が入ってきたら楽しみだよ。

ただ、残り4試合のW杯アジア最終予選、今の日本代表で期待している選手はと訊かれたら、海外組の名前をあげちゃうんだけどね(笑)。

三笘薫、古橋亨梧、堂安律。堂安が眼窩底骨折してどうなるかわからないけど、故障から復帰した久保建英だっているでしょ。彼らがスタメンでピッチに立つのが見たいよな。

彼らはほかの選手とは明らかに違う武器を持っているから、使わない手はないんだよ。ドリブルだったり、相手の裏をとる一瞬のスピードだったり、得点への強い意欲だったり、特色がある選手たちだからね。前線はやっぱりそういう選手が欠かせないよ。

1トップに古橋で、右に堂安、左に三笘、トップ下に久保。ボランチが遠藤航と田中碧。これだと南野拓実も大迫勇也も伊東純也もベンチってことになっちゃうんだけど、それはそれだよな。

日本代表のスーパースターだったら大騒動になるし不協和音になりかねないけど、いまのレベルだとベンチになって文句は言えないよな。悔しかったら奪い返せばいいだけのことだからね。

ただ、やっぱりラッキーボーイが欲しいよな、日本代表には。森保監督が新しい選手をなかなか起用しないから生まれにくくはあるんだけど、それでも出てくるときは出てくるのがラッキーボーイだからね。そういう選手が現れれば、ググッと流れを日本代表に引き寄せてW杯出場権獲得につながるんだよ。

11月のオマーン戦は三笘薫が救世主になって、その前は浅野拓磨が相手を引きずりながら頑張ってくれた。じゃあ次は誰か。その候補になりうる選手が1月合宿から現れることも期待したいね。

荒木遼太郎(鹿島/19歳)や小柏剛(札幌/23歳)にはそういう匂いを感じるよ。荒木はパリ五輪や2026年W杯の主力になってもらわないと困る選手だし、小柏だってゴール前での能力は高い。キッカケを与えたら大化けしても不思議じゃないからね。

彼らがラッキーボーイ的な存在になって、そのまま11月のW杯本大会に日本代表に名を連ねたらドラマチックだし、日本サッカーはおもしろくなっていくよな。

こんな夢物語のような想像を膨らませて、ワクワクできるのが日本代表の存在感でもあるけれど、やっぱり試合でワクワクさせてもらいたいね。「日本代表戦が待ち遠しくて仕方ない」っていう気持ちにさせてくれることを、来年は期待していますよ!

構成/津金壱郎 撮影/山本雷太

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