「スタメンは攻撃に弾みをつけられる選手がいいと思う」目前に迫った中国戦に宮澤ミシェルが期待することは?

目前に迫った中国戦について語った宮澤ミシェル
サッカー解説者・宮澤ミシェル氏の連載コラム『フットボールグルマン』第236回。

現役時代、Jリーグ創設期にジェフ市原(現在のジェフ千葉)でプレー、日本代表に招集されるなど日本サッカーの発展をつぶさに見てきた生き証人がこれまで経験したことや、現地で取材してきたインパクト大のエピソードを踏まえ、独自視点でサッカーシーンを語る――。

今回のテーマは、目前に迫ったW杯アジア最終予選の中国戦について。カタールW杯の出場を勝ち取るためには、非常に重要な1戦となるこの試合に宮澤ミシェルが期待することとは?

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さあ、いよいよだ! 日本代表は故障者が多くて万全の状態ではないけれど、泣き言を言っても故障した選手が戻ってくるわけじゃないからね。

まずは1月27日の中国戦。しっかり自分たちの強みを生かして勝ち点3を取らなきゃいけない。そのためにオフシーズンでフィジカル面の高まっていない国内組だけで代表合宿をやって、強度の高いトレーニングで体を追い込んだんだからさ。

その中からW杯アジア最終予選のメンバーに残ったのは、GKの権田修一(清水)、SBの長友佑都(FC東京)、酒井宏樹(浦和)、山根視来(川崎F)、CBの谷口彰悟(川崎F)、CFの大迫勇也(神戸)。

変わり映えしない印象はあるけれど、状況が状況だから仕方ないよな。主将でDFリーダーの吉田麻也(サンプドリア)が欠場する中では、冒険はできないよ。日本代表という舞台のプレッシャーに慣れた選手たちを選ぶのは当然の判断だと思う。

あとは海外組がどんなパフォーマンスを発揮できるのか。古橋亨梧(セルティック)が故障したのは痛いけれど、前田大然が楽しみだよ。移籍したセルティックのデビュー戦で早々にゴールを決めたし、昨シーズンのJリーグで見せた好調さを維持しているようだからね。あのスピードは攻撃はもちろん、守備でもチームを助けるから、前田にはゲームの流れを変える存在になることを期待しているよ。

森保(一)監督はどんな布陣を敷くか興味深いんだけど、4−3−3で臨むとしたら中盤の構成は遠藤航をアンカーに置いて、インサイドハーフには田中碧(デュッセルドルフ)と守田英正(サンタクララ)が予想される。だけど、もし中国戦で4−3−3を使うなら、インサイドハーフは守田ではなく堂安律(PSV)か久保建英(マジョルカ)を置いてもらいたいんだよね。

守田はどちらかと言えば守備の部分が強みの選手でしょ。中国戦は守備が大事なのは当然のことなんだけど、やっぱり攻撃のところでチームに弾みをつけられる選手のスタメンがいいと思うんだよな。

右ウインガーに堂安を使う手もあるけれど、これまでの日本代表での働きを考えれば、伊東純也(ヘンク)をスタメンから外すのは難しい。堂安にインサイドハーフでプレーするイメージはないけれど、彼の能力を考えれば大丈夫。それに守田とまったく同じプレーをする必要はなくて、攻撃時はトップ下のようにプレーすればいいわけだしさ。

堂安はゴール前に突っかけていってシュートを打つイメージが強いけど、パスだって上手いからね。大迫や南野拓実(リヴァプール)とも森保体制が始まってから長く一緒にプレーしてきたから、ふたりを生かすこともできると思うよ。それに東京五輪で田中や遠藤とも何試合もプレーしているから、そこの不安要素がないのも大きいよ。

堂安が無理なら久保もいいよな。久保は右サイドアタッカーがもっとも持ち味を出しやすいんだろうけど、バルセロナのカンテラ育ちだからインサイドハーフができないわけはないからね。

ただ、久保の場合は現状ではアジアが相手の場合に限るんだよな。インサイドハーフで世界トップクラスと渡り合うには、もう少しフィジカル強度が欲しいよ。でも、アジア相手ならあの視野の広さとボールキープ力、ゲームの流れを読む力を考えれば、インサイドハーフで抜群に輝くと思うんだ。

中国代表はここまで1勝2分け3敗の5位だけど、11月シリーズではオマーン戦、オーストラリア戦ともに1−1で引き分けた。調子を取り戻してきたなかで、12月に監督が交代。選手選考から刷新されたっていうから、日本戦はどういう戦い方をしてくるのか読めないんだよな。

でもさ、日本代表が現状2位のポジションにいるのは、ある意味、オマーン代表とオーストラリア代表の足止めをしてくれた中国代表のお陰でもあるとはいえ、日本代表がそこにお付き合いする必要はないからね。ここでしっかり中国代表を叩いて、W杯イヤーの初戦を気持ちよく発信してくれることを期待しているよ。

そして、その勢いのまま2月1日にあるグループ首位のサウジアラビア戦にも勝利してくれたら最高なんだけどな! みなさんも、しっかり応援してくださいね!

構成/津金壱郎 撮影/山本雷太

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