DeNA・三浦大輔監督が語る2年目。最下位の反省を生かして"反撃"へ!

昨季のホーム最終戦で、三浦監督(中央)は最下位をファンに謝罪。「横浜反撃」を新スローガンに今季は優勝を狙う

昨季から横浜DeNAベイスターズの指揮を執る三浦大輔(みうら・だいすけ)監督。現役時代は2016年までの25年で172勝を積み上げ、現役引退後は解説者を経て、19年にはDeNAの1軍投手コーチに。20年はファーム(2軍)監督、昨年は1軍監督としての1年目を迎えたが、リーグ最下位と苦汁をなめることになった。

今季は「横浜反撃」の新スローガンの下、2月からキャンプがスタート。監督就任2年目での頂点を目指す"ハマの番長"に、昨季の振り返りと今季の意気込みを聞いた。

* * *

■序盤から連敗続きで「焦りが出てきた」

――2020年にファーム監督としてシーズンを戦いましたが、1軍監督はまた感覚が違いましたか?

三浦 ファーム監督時代はいかに選手を育成し、1軍で活躍できる"戦力"を送り出せるかに重きを置いていました。一方で1軍の監督は、試合に勝つことを最優先にしなくてはいけません。そのために、データ解析や戦術を練ったり、選手のコンディションを確認したりといったことに奮闘する日々でした。

――昨季は悔しい結果となりました。思い描いていた「やりたい野球」と現実のギャップをどのように感じていましたか?

三浦 厳しかったです。まずはコロナ禍で外国人選手の来日が遅れ、全員が開幕に間に合わなかったことが大きかった。

特に打線に関しては、(タイラー・)オースティン、(ネフタリ・)ソトなど長打を打てる選手を欠くことになりましたからね。得点圏にランナーを進め、1点ずつ取っていくことを目標にしましたが、なかなかうまく機能しませんでした。

投手陣に関しても、本来であれば先発の軸になる左の今永(昇太)と東(克樹)が、手術後ということもあり合流が遅れました。それもあって先発投手陣がゲームをつくれないまま降板することが多く、リリーフ陣に負担がかかってしまいました。

――リリーフ陣が、ゲーム終盤に逆転を許すシーンも多かったように感じます。

三浦 セットアッパーの山ア(康晃)、クローザーの三嶋(一輝)が痛打される場面は確かにありましたが、先ほども言ったように登板過多になったことで"息切れ"した部分も大きいと思います。

今季の投手陣の顔ぶれは、新外国人投手(元オリオールズのブルックス・クリスキー)の加入がありましたが、どれだけ全体でレベルアップできるか。山アや三嶋も含めてリリーフ陣がしっかり力を出し切れるような"厚み"を出せるように整備を進めていきます。

――アクシデントもあって序盤は連敗が続き、なかには「100敗ペースでは?」と心配するファンもいました。当時の心境はいかがでしたか?

三浦 シーズン初勝利を挙げるまで9試合かかりましたし、現役時代からわかっていたことではありますが、あらためて1勝することの大変さを思い知りました。

4月に入ってからも連敗が続いたときは"焦り"も出てきましたね。「勝たなきゃいけない」という気持ちが強くなりすぎて、采配でも視野が狭くなっていた部分があったかもしれません。

■印象的だった試合とチームのMVPは?

――ただ、4月中旬から外国人選手たちが合流し、一部のケガ人も復帰してきた5月後半からの交流戦あたりから浮上の兆しも見えたように感じます。

三浦 外国人選手たちは来日後も2週間の隔離があり、実戦感覚をうまく取り戻せないなかで、少し無理をして早めにチームに合流してもらいました。

調子が上がるまで時間がかかりましたが、それ以降は徐々に歯車が噛(か)み合いだして、交流戦のあたりからイメージに近い試合ができることが多くなってきましたね。

――チームを盛り上げるため、ベンチの中で最も声を出していた選手は?

三浦 キャッチャーの城(俊人)です。出場機会は少なかったですが、「試合に出たい」という気持ちを持ちながら常にチームを鼓舞してくれました。

試合前の準備もしっかりやっていましたし、チームメイトにも積極的に声をかけていましたね。チームを"前を向く"雰囲気にしてくれるので、戦力としてはもちろん、"声"でも貢献してくれました。

――監督1年目のシーズンで、最も印象に残った試合を挙げるとしたら?

三浦 選手たちの頑張りを考えるとひとつを選ぶのは難しいですが......8月のヤクルト戦の3連発はインパクトが大きかったです。

――東京五輪の影響で神宮球場が使えず、東京ドームで行なわれた8月27日のヤクルト戦ですね。相手の先発・奥川恭伸投手から7回表に3連続ホームランを放ち、4−0で勝利を収めました。

三浦 それまで奥川投手には抑えられていましたから、選手たちの"やられたらやり返す"の精神が最高の形になって表れましたね。ヤクルトと東京ドームで試合をするのは五輪があったからで、あんな機会は二度とないかもしれない。そのうちのひとつの試合で、いい形で勝てたことが印象に残っています。

――苦境のチームのなかでも輝きを放った、昨シーズンのMVPを挙げるとしたら誰になりますか?

三浦 成績から考えてもルーキーの牧(秀悟)ですね(137試合出場、打率.314、22本塁打)。内野手として、1年目からシーズンを通して活躍できたのは素晴らしいです。

彼の打撃で最も優れているのは"対応力"じゃないかと。前半戦で活躍をしたからマークも厳しくなり、相手バッテリーの攻め方もまったく変わりました。しかし、牧はそれを上回った。明らかにルーキー離れしていましたね。

■ドラ1投手の小園は「将来のエースに」

――新シーズンに向けて、石井琢朗さん、鈴木尚典さん、齋藤 隆さん、相川亮二さんといった、かつてベイスターズで活躍した"レジェンドコーチ"たちの就任が話題となりました。これには三浦監督の意向もあったのでしょうか。

三浦 私の独断ではないですよ(笑)。球団側と意見を交わし、最終的な判断はお任せしました。他チームで指導者経験を積んできた方たちばかりなので、"新しい風"を吹かせてくれるでしょうし、選手たちの力を引き出してくれることを期待しています。

――昨秋のドラフトでは、ドラフト1巡目で競合になった小園健太投手を見事に引き当てましたね。三浦監督が現役時代につけていた背番号18を背負うことになりましたが、1年目から登板する可能性はあるでしょうか。

三浦 そこは状況を見ながらですからなんとも言えません。現時点では投球をじかに見る機会も多くありませんが、非常に力のある真っすぐと、変化球もバランスよく投げる印象です。高卒の投手としては、すごく"まとまって"いますね。

小園はスカウトの評価もかなり高かったですし、将来のDeNAを背負うエースになってもらわないと。

――新戦力としては、日本ハムから大田泰示選手も加入します。どういった働きに期待していますか?

三浦 巨人、日本ハムでプレーしてきた選手ですから、セ・パ両リーグで経験してきたことをチームで生かしてほしいです。神奈川の東海大相模高校で活躍した縁もありますし、慣れ親しんだ地でもうひと花、ふた花も咲かせてくれるでしょう。

――大田選手の加入で、外野手争いは熾烈(しれつ)になりますね。可能性のひとつとして、レフトでキャプテンの佐野恵太選手をファーストで起用する案もありますか?

三浦 もちろん、選択肢のひとつではありますよ。新戦力の選手も含め、これからは新しいオーダーも考えながらのチームづくりになります。

昨年の秋季トレーニングから、攻撃面に関しては打つだけでなく、どうランナーを進め、どう走力を使うかといったところを重点的にやってきましたから、キャンプでも継続していきます。

――昨シーズンはヤクルトの高津臣吾監督が、就任初年度に最下位だったチームを日本一に導きました。ヤクルトの強さをどこに感じましたか?

三浦 攻撃では選手のアウトのなり方や、ランナーの進め方ひとつをとっても明確な根拠がありました。投手陣は、強いボールをどんどんゾーンに投げ込んできて勝負してくるピッチャーが増えたように感じます。リリーフ陣も充実していて終盤に得点を取ることが難しかったですね。

――DeNAファンは、三浦監督に昨年のヤクルトの再現を期待していると思います。

三浦 ここまで、しっかりチームをつくってこられていますから、今シーズンは勝負できると思います。ファンの皆さん、楽しみにしていてください!

●三浦大輔(みうら・だいすけ) 
1973年12月25日生まれ、奈良県出身。1991年ドラフト6位で横浜大洋ホエールズ(現横浜DeNAベイスターズ)に入団。プロ25年で172勝を挙げ、2016年に引退。2021年にDeNA1軍監督に就任した。愛称は"ハマの番長"

取材・文/寺崎江月 写真/共同通信社

関連記事(外部サイト)