宮澤ミシェルがブライトンに復帰の三笘薫に「プレミアリーグの壁を超えてもらいたい」

三笘薫について語った宮澤ミシェル
サッカー解説者・宮澤ミシェル氏の連載コラム『フットボールグルマン』第263回。

現役時代、Jリーグ創設期にジェフ市原(現在のジェフ千葉)でプレー、日本代表に招集されるなど日本サッカーの発展をつぶさに見てきた生き証人がこれまで経験したことや、現地で取材してきたインパクト大のエピソードを踏まえ、独自視点でサッカーシーンを語る――。

今回のテーマは、三笘薫について。今季からブライトンに復帰し、プレミアリーグを戦う三笘に「プレミアリーグの壁を超えて欲しい」と宮澤ミシェルは語る。

*****

冨安健洋は大丈夫かな? アーセナルに移籍してからケガが増えているのが心配だよ。

2022−2023シーズンに向けたプレシーズンマッチも、足の故障の影響から欠場が続いたからね。そろそろ復帰できるという情報は届いているけど、足のケガは癖になりやすいから、慎重にやってもらいたいな。

たださ、見かたを変えると、Jリーグでもベルギーでもイタリアでも、故障らしい故障がなかった冨安がケガで苦しんでいるってのは、プレミアリーグの厳しさでもある気がするよね。

プレミアリーグは世界でもっともフィジカルバトルが激しくて、攻守の切り替えのところのスピード感や圧力の強さも他国リーグを上回っている。強豪クラブになるとリーグ戦と国内カップ戦のほかにもCLなどの大会があって試合数が多いのに、代表選手ならさらに試合数は増えていく。世界最高峰のリーグでプレーするっていうのは、体への負荷は相当大きいことなんだよな。

そのプレミアリーグに今季から新たに三笘薫がチャレンジする。これは楽しみだよな。昨夏にブライトンへ移籍したけれど、そのままベルギーリーグにレンタル移籍。そこでのプレーが認められて、今季はブライトンに復帰して初めてのプレミアリーグに臨む。

プレシーズンマッチの結果だけをみると、シーズンでも相当やってくれそうな気配が漂っているね。楽しみだよな。

南野拓実(モナコ)にも期待していたんだけど、いかんせん彼が所属したリバプールはビッグクラブ過ぎたよ。その点、三笘の所属するブライトンは昨季9位で、スタメンを張るには丁度いいレベルなんじゃないかな。

これがもっと弱いクラブだと大変なんだよ。攻撃が売りの選手なのに、ボールがいっこうにまわってこないこともあるし、ボールが来ても相手陣から遠い場所なんてこともあるからね。それで持ち味を発揮しろだなんてのは、ちょっと乱暴だからね。

プレシーズンで結果を残していることで、三笘のところにはボールが渡るようだし、彼のドリブルは通用すると思うんだよ。ただ、それを相手陣のどこで発動できるかも大事だよな。ゴールに近いエリアからドリブルで崩していければ、彼の得点力の高さも生きてくると思うよ。そうしたら彼の評価はもっと高まっていくだろうね。

日本人の攻撃的な選手でプレミアリーグでプレーしたのは古くはFW西澤明訓(01−02ボルトン)やMF中田英寿(05−06ボルトン)、FW宮市亮(11−13ボルトンほか)、岡崎慎司(15−19レスター)、武藤嘉紀(18−21ニューカッスル)、南野(20−22リバプール)などがいた。

そのなかでプレミアリーグで成功したと言えるのは誰だ? 岡崎か? でも、岡ちゃんが評価されたのは、FWとしての純粋な得点力というところよりも、チームへの献身性の部分だった。もちろん大事なことだけど、やっぱり個の成績があってこそというのもあるわけでさ。

三笘には過去の日本選手たちが超えられなかったプレミアリーグの壁を超えてもらいたいよな。「攻撃は三笘に任せよう」って思われるくらい、チームの柱になってもらいたい。そうした活躍が11月からのワールドカップ・カタールでも生きるだろうし、彼自身のキャリアが先々でさらにステップアップすることにつながるからね。

いずれにしろ三笘にしろ、冨安にしろ、W杯までは故障なく万全の状態でやってもらいたいな。それで、W杯で活躍して注目度が高まったなかで、ブライトン対アーセナルが見たいよね。

両者の初対決は新年の1月1日(日本時間)。W杯の4年ごとで区切れば、新たなタームに入る最初の日に実現するなんて最高だよ。この対戦が日本選手たちや日本サッカーが次のステージに向かっていくためのゴングになると楽しみにしているんだ。

構成/津金壱郎 撮影/山本雷太

関連記事(外部サイト)