香川真司、中島翔哉らが新天地へ。今冬の日本人サッカー選手の移籍を総ざらい

香川真司、中島翔哉らが新天地へ。今冬の日本人サッカー選手の移籍を総ざらい

ベシクタシュに合流して間もなくの試合で、2ゴールを決めた香川。同じトルコでプレーする長友佑都との「日本人選手対決」にも注目が集まる

欧州サッカー主要リーグの冬季移籍期間が1月末で終了した。日本人選手の主な動向を見ていくと、まずはなんといっても、ドルトムント(ドイツ)からベシクタシュ(トルコ)へレンタル移籍した香川真司が目を引く。

今季、好調を維持するドルトムントでリーグ戦とチャンピオンズリーグの出場が3試合(うち2試合が途中出場)と、完全に"蚊帳の外"に置かれていた29歳の攻撃的MFは、昨秋から移籍願望を明かしていた。

当初は、自身のプレースタイルに合うスペインリーグ行きを希望していたが、最終的にイスタンブールの名門へ今季終了時までの期限付きで移ることになった。

「ベシクタシュは去年の夏、この冬にも熱心にオファーをかけてくれた。自分に対する信頼を非常に感じ、僕自身もここで絶対に成功するんだ、と強い覚悟を持ってきた」と、香川はクラブ公式サイトのインタビューで語っている。

ベシクタシュは現在、国内リーグでは3位に浮上したものの、ヨーロッパリーグのグループステージからも敗退。現地時間2月3日の"移籍デビュー戦"ではいきなり2ゴールを挙げたが、香川にはこれからも名門を復調させる活躍が期待されている。

そのヨーロッパリーグのグループTで、3位のベシクタシュを尻目に首位通過したゲンク(ベルギー)は、柏レイソルからFW伊東純也を獲得した。こちらもレンタルという形だが、期限は来季終了時までで、完全移籍に向けた買い取りオプションも付帯する。

ゲンクの公式サイトは、「爆発的な走力を持つ選手。攻撃的なプレーで常に脅威となれる」と新加入の25歳を紹介。伊東は先のアジアカップで5試合に出場しながら、大きなインパクトを残せなかった。欧州でもまれることによって殻を突き破れるか。

伊東だけでなく、昨季のJ1で降格の憂き目に遭った柏からは主力の流出が続いており、欧州に新天地を求めた選手も多い。

柏やアンダー世代の代表でCB、SB、ボランチを務めてきた中山雄太は、ズウォレ(オランダ)に正式加入。今月で22歳になる中山は、2017年のJリーグベストヤングプレーヤー賞に輝いた逸材だ。

U−19やU−21代表では、今やA代表のCBのレギュラーとなった冨安健洋(とみやす・たけひろ)と守備の中央でコンビを組み、U−19アジア選手権優勝やU−21のW杯ベスト16進出に貢献。代表での相棒がシントトロイデン(ベルギー)で成長する姿に触発されてか、隣国オランダへの移籍を決意した。

中山と同じく柏の下部組織出身のMF安西海斗(あんざい・かいと)は、昨季までモンテディオ山形に期限付きで在籍していたが、新シーズンは所属元に戻らずにブラガ(ポルトガル)へ正式加入。当面はU−23チームに在籍し、ファーストチーム入りを目指す。

さらに、柏のU−18で育まれ、昨季は17歳でトップに2種登録されていたGK小久保玲央(こくぼ・れお)ブライアンも、ポルトガルの名門ベンフィカへ完全移籍。ナイジェリア人の父と日本人の母を持つ有望株もまた、U−23チームでスタートする。

サガン鳥栖の日本代表GK権田修一もポルトガルへ向かい、ホルン(オーストリア)に所属した16年以来、2度目の欧州挑戦を始める。新天地は、南部の小さなビーチタウンを本拠地とするポルティモネンセだ。

一昨年の9月から中島翔哉が活躍するこのクラブは、複数の日本企業から投資を受けたり、元浦和レッズのロブソン・ポンテが副会長を務めたりと、日本との太いパイプを持つ。

昨季は昇格したばかりのシーズンを10位で終え、今季は補強が功を奏して9位(2月12日時点)につける。ただし、ここまでの失点数は32でワースト3位タイ。権田はこの改善のために迎えられた。

そして、そのポルティモネンセで活躍していた中島翔哉は、カタールのアル・ドゥハイルへの移籍が決定した。昨季、リーグ戦で10得点を記録した小兵アタッカーは、移籍金は推定3500万ユーロ(約44億円)、年俸は推定350万ユーロ(約4憶4000万円)で契約に合意したと現地メディアで報じられている。

また、アル・ドゥハイルを所有するカタールの国家元首・アール・サーニが、実質的にパリ・サンジェルマン(PSG、フランス)も所有していることから、中島は近いうちにパリへ渡るのではないかとも噂されている。しかし、移籍金などの支出がクラブの収入を上回ることを禁じる、欧州サッカー連盟(UEFA)のファイナンシャルプレー(FFP)規則を考えると、その可能性は低いだろう。

PSGは数年前からUEFAに厳しい目を向けられており、ここ1年半でブラジル代表のネイマール、フランス代表のキリアン・ムバッペを超高額の移籍金で獲得したこともあって監視は強まっている。

そんななか、「アル・ドゥハイルからのレンタル移籍」といった"抜け道"を使ってまで、PSGが新戦力を獲得するとは考えにくい。

もし中島が来夏にPSGへ移籍したとしても、出番を得られるのかも疑問が残る。攻撃陣にはネイマール、ムバッペだけでなく、エディンソン・カバーニ、アンヘル・ディ・マリアら、そうそうたる面々がそろっている。ひいき目に見ても、中島が定位置を手にする姿は思い描きにくいが......いずれにせよ、今後の動向から目が離せない。

そのほかの主要どころでは、乾貴士(ベティス→アラベスにレンタル)、昌子源(しょうじ・げん/鹿島アントラーズ→トゥールーズ)、森岡亮太(アンデルレヒト→シャルルロワにレンタル)も新天地に挑戦。それぞれがどんな成長を遂げるのか、楽しみにしている。

取材・文/井川洋一 写真/Getty Images

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