代理人として来日した元ポルトガル代表・デコを直撃!「香川のプレーはいつも好きだね」

代理人として来日した元ポルトガル代表・デコを直撃!「香川のプレーはいつも好きだね」

デコ:1977年生まれ、ブラジル出身。ポルト、バルセロナ、チェルシーなどで活躍。ポルトガル代表で75試合出場。2013年の現役引退後は代理人として活動中

川崎フロンターレの中村憲剛選手などのSNSに、かつてポルトガル代表やバルセロナでプレーしたスター、デコの姿が映っているのを目にした人は少なくないだろう。Jリーグ開幕を前に、代理人として来日していた彼を直撃した。

デコは2013年にブラジルのフルミネンセで現役引退、現在はポルトガルを拠点にサッカークラブ経営者、代理人として世界を飛び回っている。故郷のブラジルではなく、ポルトガルに居を構えたのは「ヨーロッパで最も長く住んだ場所で、家族がヨーロッパに戻りたいと言ったから」だという。

――引退後の活動について教えてください。

「現役時代から引退後はふたつの形でサッカーに関わりたいと思っていたんだ。ひとつはクラブの経営、そしてもうひとつは代理人として若い選手を手助けすることだった」

――代理人として何人の選手を抱えているんですか?

「今、契約選手は30人ほど。そんなに多くはない。最初はファビーニョ(ブラジル代表MF)のモナコ(フランス)への移籍だった(現在はリバプール所属)。その後、ポルトのチキーニョ・ソワレス、フルミネンセのカイオなどを手がけた。日本には川崎のジェジエウ、名古屋のジョアン・シミッチ(いずれも今季新加入)がいる」

――ではJリーグの試合も見ているんですね。気に入った選手はいますか?

「インターネットを使って見ているんだけど、時差があるのでなかなか難しいんだ。気に入った選手は......いるにはいるんだけど、日本人の名前って難しいでしょ? すっと名前が出てこないよ」

デコことアンデルソン・ルイス・デ・ソウザは1977年にブラジルのサンパウロ州で生まれた。ブラジルでは目立った存在ではなかった彼は97年、19歳のときにポルトガルへ渡り、ベンフィカと契約。そして、その名が広く知られるようになったのは、99年にポルトと契約してからだ。

02−03年シーズン、ジョゼ・モウリーニョを監督に迎えたポルトはポルトガルリーグ、UEFA杯(現ヨーロッパリーグ)で優勝。翌シーズンにはチャンピオンズリーグも制覇。その間、主力として活躍したデコは、04年にバルセロナへ引き抜かれ、そこでもチャンピオンズリーグとスペインリーグの制覇に貢献した。ポルトガル代表としては06年、10年と2度のW杯に出場している。

――日本代表の試合は見ていますか?

「アジア杯でカタールに負けたのはサプライズだった。でも、カタールは(地元開催の22年)W杯に向けて10年以上前から投資を続けている。それが実を結んだのだろう。アジア杯は結果だけしか知らないけど、ロシアW杯での日本の試合は見たよ」

――印象は?

「いつものように、戦術に忠実でチームワークのあるチームだった。総じて速い選手が多くて、ボール扱いがうまい」

――日本代表は決勝トーナメント1回戦でベルギーに2点を先行しながら逆転負け。

「W杯は難しい大会なんだ。一瞬、気を抜いたことで負けてしまったね。でも、いい試合だった。ベルギーは日本のプレーに驚いたはず。僕の中ではロシアW杯のベストマッチのひとつだよ」

――日本代表で目を引いた選手はいましたか?

「香川(真司)のプレーはいつも好きだね」

――あなたの住むポルトガルでは、つい最近まで中島翔哉選手がプレーしていました。彼のプレーを見たことは?

「もちろん。彼の登場はポルトガルリーグのビッグサプライズだった。僕が彼を評価するのは、コンスタントにいいプレーをすること。いいときと悪いときの差があるのはいい選手ではない。彼は常に一定以上のプレーを見せた」

――日本代表は彼をロシアW杯に連れていくべきだった?

「ポルトガルで彼が見せていたプレーはW杯出場に値した。(W杯前の)日本代表の試合をずっと見ていたわけではないので、なぜ選ばれなかったのかはわからないね」

――中島選手はカタールのアル・ドゥハイルに移籍しましたが、個人的にはバルセロナのようなビッグクラブを目指してほしかったです。また先日、FC東京の久保建英選手がバルセロナのBチームに復帰するという報道もありました。将来的にバルセロナのようなメガクラブで日本人がプレーできると思いますか?

「それは誰にもわからない。バルセロナは世界中の選手が夢見るクラブだからね。ただ、ひとつ言えるのは、サッカーに国籍はない。大切なのは質だ。中島がカタール行きを選んだことについては彼の選択なので何も言えない。ただ、彼のような選手は世界中どこに行っても、チームにとって重要な選手になるだろう」

――バルセロナ時代の話も聞かせてください。あなたはロナウジーニョとメッシ、ふたりの天才とプレーしました。どちらがいい選手ですか?

「まったく違うタイプの選手だから比べるのは難しい(笑)。時代も違う。ロナウジーニョのプレーには世界中の人が目を見張った。素晴らしい選手だよ。一方、メッシは10年以上、世界のトップを張り続けている。これは本当に難しいこと。ただ、ふたりを比べるなら、メッシのほうが決定力があると言えるかな」

――ロナウジーニョは夜遊びが激しくてバルセロナをクビになったとの噂もあります。

「(大きく手を振って)それは違う。ロナウジーニョが愉快な男であるのは間違いない。でも、夜遊びでクビになったなんてウソだ」

物静かな口調で、終始丁寧な受け答え。少し前まで世界最高の舞台で戦っていたとは思えない、穏やかな目をした優しい男だった。

取材・文・撮影/田崎健太 写真/時事通信社

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