キリンチャレンジカップをセルジオ越後が振り返る「中島がボールを持つと何かをしてくれるのではという期待感があるね」

キリンチャレンジカップをセルジオ越後が振り返る「中島がボールを持つと何かをしてくれるのではという期待感があるね」

もし中島がアジア杯に出ていたら、日本は優勝していたかもしれないと語るセルジオ越後氏

課題だった攻撃面は改善されなかったね。日本代表がコロンビア、ボリビアとの連戦を1勝1敗(0−1、1−0)で終えた。

森保監督は準優勝に終わったアジア杯からメンバーを入れ替え、多くの若手や復帰組を試した。でも、アピールに成功した選手は見当たらない。特にボランチから前のポジションは厳しかった。ボリビア戦の前半などは、試合開始から相手が引いて守っているのにシュートを打とうという意識が見えたのは乾くらい。パスばかりで単調な攻撃だった。これでは引いた相手の守備は崩せない。

昨夏のロシアW杯以来の復帰となった香川には期待も大きかったんだけど、2試合ともあまりチャンスに絡めず、存在感は乏しかった。先発出場したボリビア戦はいいプレーを見せていれば90分使われていたはず。でも、森保監督が「この試合は勝ちたい」としびれを切らして途中交代させた格好だ。同じく久しぶりに代表復帰を果たした宇佐美もノーインパクト。乾はボリビア戦で決定的チャンスを決めきれなかった。

また、故障で招集外の大迫の代役として期待された(鈴木)武蔵も鎌田も結果を残せなかった。新天地の札幌で好スタートを切った武蔵は、まだまだ代表では厳しかったかな。ベルギーで数字を出している鎌田は、本来のポジションとは違うワントップで起用された難しさもあり、ほとんど見せ場をつくれなかった。

結局、前線のレギュラー格である大迫、中島、堂安、南野と新たにポジションを争えそうな選手は見つからなかった。この選手層の薄さは森保監督も頭の痛いところだろう。

そんななか、ひとり目立っていたのが中島だ。ボールを持つと、何かをしてくれるのではという期待感がある。コロンビア戦ではゴールまで至らなかったものの何度も相手を脅かすプレーを見せ、南野、堂安が途中交代するなかで90分プレーした。それは森保監督の信頼の表れだ。

また、ボリビア戦では後半途中から出場して決勝ゴール。先発はもちろん、途中出場でも結果を出せる。トラップ、フェイント、パス、そしてシュートもうまい。弱点を挙げるならヘディングくらい。FKももっと彼に任せていいんじゃないかな。型にはめず、自由にプレーさせたほうがより彼のよさが出るだろう。

たらればを言っても仕方ないけど、もし中島がアジア杯に出ていたら、日本は優勝していたかもしれない。そう思わせるような頼もしさがある。中島が入ると、チーム全体の前に行く意識、ゴールに向かう意識が強くなることも見逃せない。

特に南野と堂安が生き生きするよね。実際、ボリビア戦の決勝ゴールも堂安、南野、中島とパスをつないで決めたもの。いずれにしても、今の日本代表には絶対に欠かせない選手になった。

中島は今年2月、ポルトガルのポルティモネンセからカタールのアル・ドゥハイルに移籍。今後の成長はおろか、プレーのレベルを維持できるのかと懸念する声もあった。でも、この2試合を見れば心配はいらないだろう。

6月のコパ・アメリカ(南米選手権)にはカタールも参加するので、中島の招集も問題ないはず。大舞台でどこまでできるかに注目だ。同時に、中島ひとりに頼りきりの現状を打ち破るべく、ほかの選手の奮起にも期待したい。

構成/渡辺達也

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