15年ぶりの優勝を飾った横浜Fマリノスにセルジオ越後「拡大された外国人枠を最も活用した横浜Fマリノス。仲川のMVPも価値がある」

15年ぶりの優勝を飾った横浜Fマリノスにセルジオ越後「拡大された外国人枠を最も活用した横浜Fマリノス。仲川のMVPも価値がある」

仲川のMVP受賞は順当だろうと語るセルジオ越後氏

開幕前、誰がこの結果を予想しただろう。令和元年のJリーグはそれほど下馬評の高くなかった横浜Fマが15年ぶりの優勝を飾った。

最終節では2位・FC東京との直接対決というしびれるシチュエーションになったけど、横浜Fマが断然有利な状況で、結果も3−0で横浜Fマの完勝。勢いの差がはっきりと出たね。

今季、横浜Fマは決して順調なスタートを切ったわけじゃなかった。また、夏場にはライバルのFC東京や鹿島と同様、主力選手の移籍や故障が相次いだ。それまでチームトップの11得点を挙げていたエジガル・ジュニオが左足を骨折して長期離脱。中盤の天野(ロケレン)と三好(アントワープ)がそろってベルギーのクラブへ移籍した。

それでも、横浜Fマは今年から最大5人まで試合に出られるようになった外国人枠をうまく活用して、その穴を埋めた。途中加入のエリキやマテウスは合流直後からフィットし、優勝の原動力となった。彼らを生かしたポステコグルー監督の采配はもちろん、フロントによるスピード感のある補強、スカウティングが素晴らしかった。

彼らふたりに限らず、今季の横浜Fマの助っ人は当たりだった。ビッグネームはいないものの、どの選手もスピードがありチームのスタイルに合っていた。ハードワークをいとわず、攻守両面で大きく貢献した。

チームによって強化の方針が違うのは当然だし、ここでどちらが良い悪いを論じるつもりもないけど、イニエスタやビジャがいてもあまり勝てなかった神戸とは実に対照的だ。まだキャリアのピークを過ぎていない、野心にあふれるブラジル人選手をそろえ、それが見事にハマった。

ブラジル人選手に限らず、タイ代表のティーラトン(前・神戸)、昨季J3の琉球から獲得したGK朴一圭など、決して派手ではない今季加入組の活躍も見逃せない。スカウティングが機能すれば、必ずしも大金を投じなくても、強いチームをつくれるというお手本を見せてくれた。

仲川のMVP(最優秀選手賞)受賞は順当だろう。僕も彼以外にはいないと思う。15得点を挙げ、チームメイトのマルコス・ジュニオールと並び得点王に輝いた。しかも、仲川はPKを一度も蹴っていない。これは高く評価すべきこと。

スピードがあり、ドリブルでどんどん仕掛ける。そして、右足も左足も使えて得点力も高い。相手DFにとっては本当に守りづらい選手だと思う。タテに速いスタイルのチームの攻撃を牽引(けんいん)した。

見た目はヤンチャそうだけど、インタビューの受け答えは落ち着いていて、性格的にもしっかりしていると聞く。開催中のE−1東アジア選手権(韓国)で日本代表に初選出されたけど、僕に言わせれば少し遅いぐらい。27歳と一番いい年齢だと思うし、日本代表の森保監督にはシーズン途中の時点でも試してほしかった。

優勝したのだからホメるのは当然だけど、今季はFC東京や鹿島、川崎などライバルチームの自滅もあった。横浜Fマのこの強さは本物なのか、来季こそ真価が問われる。

外国人が3人しか出られないアジアチャンピオンズリーグとJリーグをどう両立させるのか。現有戦力では心もとないし、少なからず補強は必要だろう。来季もフロントのスカウティングのお手並み拝見といきたいね。

構成/渡辺達也

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