レクサスの独走にストップがかかったSUPER GT――鈴鹿1000kmが見物だ!

レクサスの独走にストップがかかったSUPER GT――鈴鹿1000kmが見物だ!

第5戦を制したのはARATのホンダNSX−GT。レクサスの連勝をストップした

夏休み真っ只中の8月5日〜6日、富士スピードウェイで開催されたSUPER GT第5戦は、ホンダ、ニッサン、レクサスの3メーカーのマシンが最終ラップの最終コーナーまで超接近戦が繰り広げるという、SUPER GTらしいスリリングでエキサイティングなレース展開となった。

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その激戦を制したのは、鈴木亜久里が率いるAUTOBACS RACING TEAM AGURI(ARTA)のホンダNSX−GT。

今シーズンはレクサスLC500勢がライバルを圧倒する強さを披露し、開幕から4連勝を飾っていたが、ポールポジションからスタートした野尻智紀/小林崇志組のNSX−GTが、NISMOのGT−R(松田次生/ロニー・クインタレッリ)とLEXUS TEAM ZENT CERUMO のLC500(立川祐路/石浦宏明)の追撃を振り切り、ポール・トゥ・ウインを達成。レクサス勢の連勝をストップさせると同時に、ホンダにシーズン初勝利をもたらした。

ホンダだけでなく、ドライバーの野尻と小林にとっても、今回の勝利は大きな意味を持つ。ふたりにとってGT500クラスの初優勝。レース後の記者会見では、両ドライバーは目をうるませながら、「いろんな人に支えられたのでここまで来ることができました。今までお世話になったすべての方に感謝したいです」と語っていたのが印象的だった。

また小林は「次の鈴鹿(8月26日〜27日)はNSX−GTの得意のコースですし、上位入賞のチャンスは十分にあると思います。続く第7戦のタイ(10月7日〜8日)も結果を残せる自信がありますので、チャンピオンを狙えると思います。これからもタイトル獲得を目指して、しっかりと頑張っていきたい!」と意欲的に語った。

富士のリザルトだけ見れば、ホンダのNSX−GT が優勝し、ニッサンのGT−Rも今季最高位の2位に入り、レクサスLC500勢は3、4位にとどまった。だがコース上のパフォーマンスを見ていると、レクサスLC500の強さ、速さを再認識した人も多かっただろう。

SUPER GTではウェイト(重量)ハンデシステムを採用している。簡単に言うと、獲得ポイントに応じてウェイトがマシンに搭載されることで、同じマシンが勝ち続けることができにくいようになっているのだ。

例えば、今回のレースでレクサス勢としては最上位の3位表彰台を獲得したLEXUS TEAM ZENT CERUMOは、すでに第2戦で優勝しており、立川と石浦がドライブするLC500のウェイトハンデは60kgだった。対してARTAのNSX−GTとNISMOのGT−Rのウェイトハンデはそれぞれ20kgと52kgだった。にもかかわらず、LEXUS TEAM ZENT CERUMOのLC500は1位と2位のマシンとほぼ同タイムで、300kmのレースを走り切っている。

トップからわずか13秒遅れの4位でゴールしたLEXUS TEAM au TOM’S(中嶋一貴/ジェームス・ロシター)のLC500に至っては、ウェイトハンデは実に72kgだった。その事実を考えると、レクサスLC500の高い実力をあらためて思い知らされる。

「富士での結果は3位に終わりましたが、レクサスLC500はウェイトを積んだ状況でも安定して速いクルマであることをしっかりと証明できたと思います」と語るのは、3位表彰台を獲得したLEXUS TEAM ZENT CERUMOの浜島裕英監督だ。

「今回は6番手からのスタートで、予選でもう少しいいところにつけていれば、違ったストーリーがあったと思います。でもウェイトハンデが厳しい中で、着実にポイントを重ねていくことが、タイトル争いでは大事になります。これから終盤戦にかけて、我々にとって同じレクサス勢が最大のライバルになっていくと思います。今回はレクサス500勢として最上位でフィニッシュできましたので、そういう意味ではいい結果を出せました」

次回の鈴鹿1000kmは、そのイベント名が示すように通常のレースよりも距離が長く、上位入賞者にはボーナスポイントが与えられる。今年もSUPER GTのハイライトとも呼べるイベントであると同時に、これからのチャンピオンシップの行方を占う意味でも興味深い一戦になるだろう。

というのも、今回の富士の結果によってARTA のNSX−GTとNISMOのGT−Rが大きくポイントを稼いだことで、ホンダとニッサンのマシンがランキング上位のレクサスLC500勢と同じようなハンデで戦うことになるからだ。お互いのマシンが重くなった時にどんな戦いが繰り広げられるのか? 見逃せないレースとなる。

また今回の鈴鹿1000kmには元F1チャンピオンのジェンソン・バトンが出場するのも大きな見どころだろう。バトンは武藤英紀と中嶋大祐とともにTEAM MUGEN のNSX−GTをドライブするが、決してゲストとしての参戦ではない。すでに2度のテストに参加しており、しっかりと準備を進めている。

さらに小林可夢偉もLEXUS TEAM WedsSport BANDOHからスポット参戦することも決まっており、まさにSUPER GT第6戦の鈴鹿1000kmは見所満載。8月最後の週末、今年も鈴鹿は熱く燃え上がりそうだ!

(取材・文/川原田剛 写真提供/HONDA)

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