<リオパラ五輪速報>“最も金に近い男”木村が100mバタで銀メダル

【パラ五輪100mバタフライ】S11(視覚障害)クラスの決勝で木村敬一が銀メダル

記事まとめ

  • リオ五輪の100バタ、S11クラスの決勝が14日、アクアティックススタジアムで行われた
  • 東京ガス所属の木村敬一が出場し、わずか0秒19差届かなかったが銀メダルを獲得した
  • 木村は50自由形S11でも銀、100平SB11でも銅を獲得、今大会3つ目のメダルとなる

<リオパラ五輪速報>“最も金に近い男”木村が100mバタで銀メダル

<リオパラ五輪速報>“最も金に近い男”木村が100mバタで銀メダル

競泳男子100mバタフライ S11で木村敬一が銀メダル(写真:アフロスポーツ)

リオデジャネイロパラリンピックの競泳男子100mバタフライ、S11(視覚障害)クラスの決勝が14日(日本時間15日)、現地のアクアティックススタジアムで行われ、木村敬一(26、東京ガス)が、銀メダルを獲得した。木村は、50m自由形S11でも銀メダル、100m平泳ぎSB11でも銅メダルを獲得しており、今大会3つ目のメダル。

 木村は、好スタートを切った。50mのターンではトップ。木村がどこまで逃げ切るかが焦点となったが、残り25m付近からスペインのオリベルが伸びてきた。ラストは激しいデッドヒートとなり、フィニッシュはタッチの差。木村の記録は1分2秒43。わずか0秒19差届かぬ銀メダルだった。

 レース後、木村は、「悔しい気持ちはありますけど。。。。悔しい気持ちしかないです。自分の泳ぎをするだけだと思っていたんですが、勝ちたかったです。今回、世界ランキング1位で臨みましたし、世界選手権で優勝している種目だったので、なんとしてもという思いがあったんですが、こういう結果になってしまって悔しいです」と、何度も言葉を途切れさせながら悔しさをにじませた。
 
 先天性の病気で2歳の時に全盲となったが、小学校4年時に母の薦めで水泳を始め、筑波大学附属視覚特別支援学校へ入学、水泳部に入り水泳界のレジェンドと出会う。今回、パラリンピックの殿堂入りを果たした河合純一さんである。バルセロナ大会から2012年のロンドン大会まで6大会に出場、金メダル5個を含む21個のメダルを獲得した水泳界のレジェンドの背中を追いかけ、ロンドンでは一緒に決勝レースも泳ぎ、木村が100mバタフライで銅、河合さんを抜いた。木村は100m平泳ぎでも銀メダルを獲得、ロンドンを限りに引退した河合からリーダーとしての責任と自覚をバトンタッチされた。

 この4年間、金メダル獲得のため、フィジカル強化に全力を投入した。本来、食が細いため激しいトレーニングで1日に3キロも4キロも体重が減っていたが、支援者のサポートを受けて、練習終了後に近所の定食屋で栄養価と必要なカロリーを満たした食事を取れるように環境を改善。一日、5000カロリーを目標に食事改革をしてきた結果、体重が筋量を8キロは増加。昨年の世界選手権では、100m平泳ぎ、100mバタフライの同クラスの2種目で金メダルを獲得していた。
   

 “最も金メダルに近い男”と期待されてきたが、勝負をかけていた前日の100m平泳ぎでは、銅メダルに終わり、「悔しい気持ちしかない。明日金メダルをとります」と決意を新たにしていた。
 だが、リオに入ってからは、プレッシャーなども重なり疲労が抜けなかった。レースが続きコンディションは、最悪だったが、「疲労? 今日は、午前中がなかったので(予選)、ましだったんですが、実力がなかったのかなと思います」と、木村はそれを言い訳にしなかった。

 木村の信念は、「人間は何かを失っても、これだけのパフォーマンスができる、金メダルもとれるんだという人間としての可能性を伝えたい」というもの。期待された金メダルには届かなかったが、その信念に恥じない素晴らしいレースを、木村はリオの本番で見せてくれた。

木村は、まだ男子100m自由形S11、男子200m個人メドレーSM11のレースを残していて、いずれもメダルの可能性がある。