MLBでユニホームの着こなしに異変!クラシックスタイルが増加中

メジャーリーグでクラシックスタイルのユニホームの着こなしがじわじわと増加

記事まとめ

  • 18日付のニューヨークタイムズ紙でメジャーリーグのユニホームの着こなしを特集
  • ズボンの裾をひざまで上げ、ストッキング、ソックスを見せるスタイルが増加中だという
  • ストッキングの上にスターラップスというソックスをつける選手もいる

MLBでユニホームの着こなしに異変!クラシックスタイルが増加中

MLBでユニホームの着こなしに異変!クラシックスタイルが増加中

ユニホームの着こなしが美しいイチローは、ストッキングを見せて履くクラシックスタイルを貫く。(写真・山口裕朗)

 ここ最近、メジャーリーグでは、ズボンの裾をひざまで上げて、ストッキング、ソックスを見せて履くクラシックスタイルのユニホームの着こなしが、じわじわと広がっていることを18日付のニューヨークタイムズ紙が特集した。マリナーズのイチローが、ずっと貫いてきた着こなしのスタイルだ。

 同紙は、「ストッキングを外に出す選手が増えてきており、ストッキングの上から着用する、スターラップスを取り入れている若い選手も出てきた」と報じている。ちなみにスターラップスとは、白いストッキングの上からもう一枚履く野球用の靴下で、足の甲と踵の部分がU字にくりぬいてあり、足の裏にストラップをかけて着用する。チームによってデザインが決まっており、黒や紺、赤などチームカラーを採用。米国では、馬に乗るときに足をかける鐙(スターラップス)に似ていることからスターラップスと呼ばれている。

 メジャーでは90年代からユニフォームのズボンをくるぶしまで下げるか、ズボンのすそをスパイクの踵にかけるようにして着る選手が多かったが、ここにきて原点に帰る傾向が見えてきたというのだ。

 同紙は、ズボンの裾をあげて、ストッキングを外に出す選手、さらにその上にスターラップスというソックスをつけている若い世代の選手たちを何人かを紹介している。

 インディアンスのフランシスコ・リンドーアは父親からのアドバイスに従ってスターラップスをつけているという。レイズの26歳の遊撃手、ブラッド・ミラーもスターラップス派で、ツイッターのアカウント名は「ブラッド・スターラップ」。ミラーのチームメートの27歳右腕のクリス・アーチャーもスターラップスを着用しており、記事中に名前が挙げられている。

 メッツのカーティス・グランダーソンもそうで、高校時代から「ニグロリーグ」へ敬意を示すために、ストッキングを上にあげているという。しかし、スターラップスは着用していない。グランダーソンは足のアーチ部分にストッキングとスタラップスが二重になってしまう部分が出来て不快感があるそうだ。

 このニューヨークタイムズ紙の特集記事は、野球とストッキングの歴史についても触れている。

 レッドソックスやホワイトソックスというチーム名が、そのチームを識別するためのストッキングの色に由来しているのは、広く知られているところだが、1860年代の選手たちは、色のついたストッキングを履き、ふくらはぎを見せることで、女性ファンにアピールできると考えていたと報じている。イチローのユニフォーム姿を見ると、さもありなん、と言ったところか。
   

 同紙の特集記事は、さらにスターラップスの誕生の裏話も披露。

 ストッキングの色でチームを識別していたメジャーリーグ創成期。しかし、色つきのストッキングを履くことは、リスクもあったという。スパイクなどでふくらはぎ部分を負傷したときに、毒性のある染料が傷口に入ってしまうことがあったという。染料が傷口に入ることを防ぐために、ストッキングを二重に履くアイデアもあったが、動きにくいため、白いソックスの上に色のついたスターラップスを着けることになったと伝えている。ストッキングを外に出すイチロースタイルのメジャーリーガーが増えてきたことで、同紙は新なビジネスチャンスが生まれていることも報じた。NBAにソックスを供給しているスタンス社が、今年5月にメジャーリーグの公式ソックスになったという。

 スタンス社の野球担当者は、「これまでソックスは長い間、後回しにされてきました。そしてようやく、メジャーリーグ機構はソックスに注目をするべき時が来たと決断したのです。我々はその手伝いをしたいと思います。数シーズン後には、素晴らしいものをお見せすることができると思います」と同紙の取材に自信たっぷりに語っている。選手からアイデアを募っているそうだ。

 記事では、NBAでクリスマスの試合の日に着用する特別なユニフォームとともに、スタンス社がNBAクリスマス用の特別ソックスも作っているという実績も紹介した。

 同紙では一切触れられていなかったが、イチローも、動きやすさや怪我防止、また疲労を防ぐ意味もこめて、このクラシックスタイルを貫いてきた。その美しさはメジャーリーガーの中でも際立っていた。過去のWBCでは不振に陥ったイチローのために、日本代表のチームメートたち全員がストッキングを上げたこともあった。

 日本では、クラシックスタイルを採用する選手は、そう多くない。優勝した広島の菊池、阪神の鳥谷、新人王候補としてシーズン2本のランニング本塁打を19日に記録した楽天の茂木ら、どちらかというとスピードをイメージさせる選手がそのスタイルを採用しているが、まだチーム全体に広がるところまではいっていない。

 阪神の掛布2軍監督は、ストッキングを見せて履くクラシックスタイル派。2軍監督に就任した際、チーム全員に義務づけることも考えたが、結局、それぞれの判断に任せた。
 
 だが、メジャーの影響を受けて、これからは、若い世代の選手たちが、おしゃれなストッキングスを履いて古さを新しさに変えていくのかもしれない。