W杯ヘディング芸人に相方が「正直イラッとしましたね」

W杯ヘディング芸人に相方が「正直イラッとしましたね」

漫才そっちのけでロシアへ(本人提供)

 その日本人は、いきなり世界一有名なサポーターになった。ロシアW杯予選リーグ・セネガル戦の後半6分、相手シュートがゴールの枠を超えスタンドに飛び込んだ。そのボールに、上半身裸の男が見事ヘディングを合わせたのだ。胸にはデカデカと「16強」の文字が──。

 テレビでもヘディング映像が繰り返し流されたこの人物は、サッカー大好き若手芸人として知られるお笑いコンビ「カカロニ」のツッコミ・菅谷直弘(27)だ。菅谷はブラジルのロナウジーニョ、相方の栗谷悟史はカカがそれぞれ好きで、そこからコンビ名をつけた。

 菅谷と同じくサッカー経験のある相方の栗谷は、東京・中野坂上の居酒屋「山内農場」で後輩芸人と飲みながらセネガル戦を観ていた。こうボヤく。

「あいつがロシアに行ってる間は仕事できないので、中継で映った瞬間、正直イラッとしましたね」

 それでも、菅谷のヘディングシーンには日本はもちろん海外メディアも飛びつき、「カカロニ」のコンビ名は一躍有名になった。仕事の依頼も入り始めている。

「名前が知られたのは良いことだけど、勝ち誇った顔で帰ってくるなよ!」

 そんな相方のメッセージを知ってか知らずか、ポーランド戦も現地で全力応援していた菅谷。決勝トーナメント進出が決まり、テンション高めでこんなコメントを出してくれた。

「うおお、やりました! 僕は“大迫ハンパない世代”の底辺なんですが、底辺でも頂点についていけば、こんな思いができるなんて。仕事全部うっちゃって来て良かったー。ここから先はすべての敵が格上になりますが、気持ちの入った試合で大物食いをし、ベスト8、ベスト4に連れてってください。(相方の)栗谷、ゴメン、まだ帰れない!」

◆取材・文/竹田聡一郎(フリーライター)

※週刊ポスト2018年7月13日号

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