「血統」の入門に最適な2歳新馬戦「メイクデビュー」

「血統」の入門に最適な2歳新馬戦「メイクデビュー」

競馬は血統で楽しむべし

 競馬の魅力の一つに「血統」があるのは間違いないし、これから競馬をやる人は、老若男女を問わずぜひ血統に興味を持ってほしいと思う。だからといって、三代始祖がなんだとか、リボー系の特徴がどうだとか、ノーザンダンサーのクロスがどうとかまで覚えていく必要はない。

 まずは、その馬の父がどういう馬だったかを知っておくだけでいい(できれば母の父も)。そして2歳新馬戦がスタートしたばかりのこの時期は、新たな「父」、つまり新種牡馬が毎週のようにデビューしてきている。少し前にレースで活躍していた馬の子がデビューしてくるのだ。

 この時期ならば、だいたい午後最初の5レース、6レースあたりに組まれている。競馬は1日12レースもあるので、後半だけやるという人も多いが、やはり新馬戦に間に合うように行きたいものだ。

 それまでのレースに比べてパドック周りが馬主・関係者で賑わっている。わが子が初めての運動会に出るような気持ち。誰もが「来春のクラシック戦線」に参戦することを夢見ている。ファンにしても歴史的名馬になるかもしれない馬の、最初のレースの目撃者となれるわけだ。

 だが新馬戦が興味深いのは、なにより来年のクラシック戦線を担う種牡馬がどういう傾向にあるのかを知らしめてくれるからだ。相変わらず、ディープインパクト(種付け料4000万円)やキングカメハメハ(同1200万円)の産駒が強いのか、それともそろそろ世代交代があるのか……。

 昨年はマイルまでの距離で圧倒的な強さを見せたロードカナロアの初年度産駒がデビュー。牝馬アーモンドアイはマイルの桜花賞どころか、2400mのオークスも圧勝し、種牡馬として無限の可能性を示し、種付け料はハーツクライと同額の800万円に跳ね上がった。三冠馬オルフェーヴルの産駒も、まずまず期待に応えたといっていい。

 今年はまだ世代最初の重賞が終わったばかりだが、すでに8頭が勝ち上がっているロードカナロア産駒が好スタート。その他ではヴィクトワールピサとあいかわらずサンデーサイレンスの子や孫が堅実。新種牡馬では世界ランク1位になったジャスタウェイの産駒が4勝を挙げ、早くも成功しそうな予感だし、ダノンバラードやレッドスパーダの子も勝った(いずれも7月29日終了時点)。もちろんディープインパクト産駒も貫禄を見せている。

 長年競馬に親しんだファンでも、この時期はまだ手探り状態。かつて有力2歳馬は、10月の東京・京都開催あたりに満を持してデビューしたものだが、近年では早まる傾向にある。桜花賞とオークスの2冠に輝いたアーモンドアイのデビューも8月6日の新潟だったし、ダービー馬ワグネリアンにいたっては7月16日に新馬勝ちしている。来年のダービーやオークスに出走する馬のデビュー戦、見ておきたいじゃないか。

●文/東田和美(ひがしだ・かずみ)今年還暦。伝説の競馬雑誌「プーサン」などで数々のレポートを発表していた競馬歴40年、一口馬主歴30年、地方馬主歴20年のライター

※週刊ポスト2018年8月17・24日号

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