済美・山口直哉「酷使」への心配に監督の胸中は

【夏の甲子園】済美・中矢太監督が山口直哉酷使論に反論 13年にも安樂智也めぐり論争

記事まとめ

  • 夏の甲子園で、高岡商業・山田龍聖や星稜・奥川恭伸ら足をつる選手が続出している
  • そんな中、済美・山口直哉は184球を投げ完投する試合もあり、酷使との声が出ている
  • しかし、済美・中矢太監督は「根性は高校野球が愛されている理由でもある」と反論した

済美・山口直哉「酷使」への心配に監督の胸中は

済美・山口直哉「酷使」への心配に監督の胸中は

星稜戦では184球を投げた(共同通信社)

 第100回全国高校野球選手権記念大会では、毎試合のように足を痙攣する選手が続出。3日目は、高岡商業の左腕エース・山田龍聖や主将・中村昂央(こうよう)が足をつるなど、4試合で計6選手が救護された。選手に留まらず、6日目には永井秀亮球審も交代を余儀なくされた。

 中でも、済美対星稜戦は、猛暑に見舞われた100回大会を象徴するような試合だった。星稜の先発・奥川恭伸が足の痙攣、4番手の竹谷理央も足をつり、継投策に混乱を招いた。

 最大6点をリードしながらタイブレーク(延長12回を終えて同点の場合に、無死一、二塁から13回の攻撃を始めるルール)にもつれこんだ理由は、予期せぬアクシデントの続出に他ならない。林和成監督が言う。

「石川大会では足をつる選手は1人もいなかった。正直、あれだけ暑さの中で練習しているのに、甲子園では軽傷を含めて4人の足がつった。県大会と甲子園では消耗の仕方が違う……」

 暑さ対策として、複数のタイプの異なる投手を継投する野球は、これから主流になっていくだろう。

 だが、こうした潮流に逆行するように、済美のエース・山口直哉は、タイブレークまで184球を投げて完投した。

 済美と言えば、2013年の選抜で当時の2年生エース・安樂智也が決勝までの5試合計772球を投げ、高校球児に対する“酷使”として、海外メディアをも巻きむ大論争となった。故・上甲正典監督を部長として支えた中矢太監督は言った。

「愛媛の野球は粘り強く、『最後は根性』と言われますよね。もちろん、古い考えなのかもしれませんが、そういうところが高校野球が愛されている理由でもあると思います。酸素カプセルに入らせ、治療も受けている。最大限、ケアはしておりますし、山口は肩周りの筋肉が柔らかく、星稜戦の疲れはありません」

 先発完投型が減りつつあるなか、山口は3回戦でも元気に121球を投げた。

●取材・文/柳川悠二(ノンフィクションライター)

※週刊ポスト2018年8月31日号

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