羽生結弦 カナダで受ける「異色のゴッドハンド」の施術

羽生結弦 カナダで受ける「異色のゴッドハンド」の施術

鍼灸院に入る羽生の顔はどことなく暗い

 カナダ・トロントにクリケットクラブで、ブライアン・オーサーコーチのもと練習に励んでいるフィギュアスケートの羽生結弦(23才)。9月20日からカナダで行われる「オータム・クラシック」を皮切りに、GPシリーズはフィンランド大会(11月2日~)とロシア大会(11月16日~)を転戦。GPファイナル(12月6日~)を経て、来年3月18日に始まる世界選手権に挑む予定だ。

 長いシーズンを乗りきるには、昨シーズン負った右足首のけがの完全回復がカギになるが、ここにきて気になる動きがあった。

 8月上旬のある日、羽生は練習後、母親と共に地元・トロントにある鍼灸治療院に向かった。

 羽生が幼い頃から東洋医学に慣れ親しんできたことは、つとに有名だ。出身地の宮城・仙台では、小学5年生の時から母親に連れられて自宅近くの接骨院に通った。

「院長はチャクラの光を見ることができるという、地元では“チャクラ仙人”と呼ばれている人物です。院長が独自に考案したという『経気四門療法』という手技は、体の一部を軽く押すだけで体の不調やバランスを整えることができるそう。院長は自らが修業の末に独自に開発した、パワーストーンにシールを貼った特別なペンダントを羽生くんに渡し、彼はリンクに上がる時に、そのペンダントを肌身離さずつけていました」(仙台市の地元住民)

 オーサーコーチの教えを受けるために17才でトロントに渡ってからは、トロントで指圧鍼灸クリニックを営む、マッサージセラピストの青嶋正さんの治療を受けるようになった。

「青嶋さんは日本フィギュアスケート界で有名なセラピストで、現役時代の小塚崇彦さんや織田信成さんもかかっていました。マッサージセラピーとは、施術を通じて心と体の両面から改善していく治療法。羽生は、当時はストレッチの重要性をあまり認識していなかったそうですが、彼の指導によって、普段から“体のケア”を心がけるようになった。満身創痍で迎えたソチ五輪、そして今年の平昌五輪でも、青嶋さんの施術を受けて試合に臨みました」(スケート連盟関係者)

 青嶋さんは羽生の“五輪連覇”の立役者として、メディアに登場したこともある。だが、今回、羽生が入っていったのは、別の治療院だった。

◆痛みが引くのが遅くなってきた

 羽生が訪れたのは練習場から車で10分、自宅から5分ほどの高級住宅街の一角にある一戸建て風の治療院。「ASTR(Active Soft Tissue Release)=アスター」と呼ばれる治療法を掲げ、40代日本人で童顔の“ゴッドハンド”が院長を務める地元でも知る人ぞ知る治療院だという。

「羽生選手が治療を受けているのは土川貴之院長です。彼は大学卒業後に鍼灸師の専門学校に入り直しこの道を極めた異色の経歴の持ち主で、日本で開業時に患者だったカナダ大使館の外交官に気に入られ、どうしても、と声がかかり、2011年にトロントで開業しました。ASTRは日本人整形外科医が考案した手技療法で、オステオパシー、整体、各種エステなどの手法が取り入れられています。

筋や筋膜、靱帯などの組織を押さえ、軽く伸ばした状態で関節を動かすことで、より効果的なストレッチを行うことができるというもの。慢性的な痛みに効果があり、しかも競技を続けながら治療を受けられるので、現役スポーツ選手に人気があります」(土川さんの知人)

 ASTRに取り入れられている「オステオパシー」は、19世紀にアメリカのアンドリュー・テーラー・スティル医学博士が創始した治療法。

「オステオパシーは肉体的不調を治療すると共に、精神的不調も改善できるのが特徴です。日本では“東洋医学はエビデンス(根拠)がない”という認識もありますが、アメリカやカナダでは、オステオパシーの有資格者は他の医師免許と同等の資格者とされます。土川さんの治療院は地元の人からも人気で予約が取りにくくなっています」(トロント在住日本人)

 新シーズンを目前に、土川さんの元を訪れる羽生の姿は頻繁に見られるようになった。

「従来の治療やケアだけではなかなか痛みが引かなくなってきた。そんななか土川さんを紹介されたそうです。異色のゴッドハンドの効果はてき面だったのか、以降彼の元へ通い始めました。羽生にとっては力強い味方でしょう」(前出・スケート連盟関係者)

 土川さんは羽生の現状について、「守秘義務があるので顧客のことは一切話せません」と、答えるのみだった。

 いよいよスタートするスケートシーズン。「異色のゴッドハンド」が、羽生の足を支え続けてくれることを願うばかりだ。

※女性セブン2018年9月6日号

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