古巣に甘い? 評論家75人のセ・リーグ順位予想を解析【前編】

古巣に甘い? 評論家75人のセ・リーグ順位予想を解析【前編】

今年のセ・リーグのペナントを手にするのはどのチームか(時事通信フォト)

 3月29日、プロ野球が開幕した。はたして今年はどんなシーズンになるのか。毎年、シーズン前に評論家たちが順位予想をしているが、彼らの予想が当たる当たらないは置いておいて、評論家たちの出身球団によってどんな予想の“傾向”が見られるのだろうか。

 データ分析家の岡野誠氏が、スポーツ新聞6紙(東京版)とフジテレビCS『プロ野球ニュース』の評論家75人のセ・リーグ順位予想を徹底解析する。(前編)

【*1敬称略 *2 評論家名後のカッコ内は現役時代の最長実働球団 *3 スポーツ紙と『プロ野球ニュース』の2つに出演した評論家で順位を入れ替えている場合は最新の日付を優先】

 * * *
 まず、評論家75人による平均予想順位を見てみよう(小数点第3位以下を四捨五入)。

【セ・リーグ各球団の平均予想順位】
巨人:1.79位
広島:1.83位
DeNA:3.64位
ヤクルト:3.77位
阪神:4.51位
中日:5.47位

 巨人がわずかに広島を抑えてトップに。第2グループをDeNAとヤクルトが形成し、阪神、中日という昨年の下位チームの前評判は低い。

 優勝予想に絞ってみると、以下のようになる。

【セ・リーグ各球団の優勝予想人数】
巨人:38人(50.7%)
広島:26人(34.7%)
DeNA:6人(8.0%)
阪神:3人(4.0%)
ヤクルト:2人(2.7%)
中日:0人(0%)

 半数以上の評論家が昨年3位の巨人を優勝候補に挙げ、3連覇中の広島を引き離した。巨人を推す声には、丸佳浩などの大型補強を理由にする意見が目立った。

〈巨人は「これで勝てなかったら…」というぐらい戦力を整えた〉(高木豊、3月26日付・スポーツ報知)
〈巨人にとって、広島から丸が抜けたことだけでもプラス材料。その丸を獲得し、4番・岡本の成長もあって得点力は確実にアップしている〉(野村弘樹、3月28日付・サンケイスポーツ)

 一方、広島の4連覇を予想する理由としては“丸の穴は他の選手が埋める”という意見が多く見受けられた。

〈昨季序盤も丸が故障で離脱したが、代役の野間が活躍した。チーム内で競争できているためで、今年も丸の穴を埋められるはず〉(福本豊、3月26日付・スポーツ報知)
〈丸が抜けたといっても、昨年丸がいなかった5月も調子を落とすことなく、1位を独走した。次を狙う選手もハイレベルでそろう〉(里崎智也、3月27日付・日刊スポーツ)

 この2チームが優勝予想の85.4%を占める中、有藤通世(ロッテ)と柴原洋(ソフトバンク)の2人は昨年2位のヤクルトを挙げた。

 有藤は〈若手が伸び盛りでオープン戦から「最後まで諦めない」との雰囲気が出ていた〉〈攻撃力はリーグ屈指〉〈昨季パを制した西武のように、強力打線が投手陣をカバーする形で白星を積み重ねられるか〉(3月27日付・スポ―ツニッポン)と評している。

 昨年4位に終わったものの、一昨年日本シリーズに進出したDeNAを推す評論家は平松政次(大洋)、真中満(ヤクルト)、谷沢健一、立浪和義、今中慎二、川上憲伸(以上、中日)の6人。

 真中は〈投手陣の駒の多さと安定感、層の厚さ〉〈昨季本塁打王のソト、宮崎、筒香、ロペスと続く打線も、かなりの得点力が期待できる〉(3月28日付・サンケイスポーツ)と投打のバランスの良さを指摘した。(後編に続く)

●文/岡野誠:ライター・データ分析家・芸能研究家。研究分野は田原俊彦、松木安太郎、生島ヒロシ、プロ野球選手名鑑など。本人へのインタビューや関係者への取材、膨大な資料の緻密な読解を通して、田原俊彦という生き方を描いた著書『田原俊彦論 芸能界アイドル戦記1979-2018』(青弓社)が話題。

 

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