東京五輪、日本は「まさかの金メダルゼロ」もあり得る?

東京五輪で日本の金メダル獲得がゼロの可能性も 萩野公介、張本智和ら注目も不調

記事まとめ

  • 東京五輪の日本の金メダル獲得について、JOCは過去最高の30個を目標にあげている
  • 内村航平、大坂なおみ、萩野公介、張本智和らが注目されるも不調などに見舞われている
  • 桃田賢斗には強力なライバル・中国の石宇奇が出現、金メダルゼロもあり得るとの声も

東京五輪、日本は「まさかの金メダルゼロ」もあり得る?

東京五輪、日本は「まさかの金メダルゼロ」もあり得る?

萩野公介は日本選手権を欠場した(時事通信フォト)

 来年に控える自国開催の東京五輪では、JOC(日本オリンピック委員会)が過去最高の30個の金メダル獲得を目標に揚げ、国民も期待を寄せる。4月18日に競技観戦チケットの販売サイト開設を控え、五輪熱は高まるが、関係者から聞こえてくるのは、意外にも不安の声だった。

 3月14日、五輪公式のネットメディア「オリンピックチャンネル」が、〈東京2020で注視すべき12人のスーパースター〉と題した特集を組んだ。

 同記事では、体操の内村航平、テニスの大坂なおみ、競泳の萩野公介、卓球の張本智知、柔道の大野将平ら12人の日本人アスリートを金メダル候補に挙げている。

 ところが、そこにノミネートされた“スーパースター”たちは、ここにきて次々と不調やトラブルに見舞われている。

 深刻なのが競泳だ。水泳日本選手権(4月2〜8日)の平泳ぎで、世界大会への派遣標準記録を誰一人突破できず、日本代表者が決まらないという異常事態に。池江璃花子の白血病療養に続き、リオ五輪400m個人メドレー金メダリストの萩野も日本選手権欠場に追い込まれた。

「2月のコナミオープンでは、400m個人メドレーで自己ベストから17秒もタイムを落としましたが、その理由は『モチベーションの低下』と発表されている」(スポーツ紙記者)

◆中国勢が徹底研究

 バドミントン世界ランク1位の桃田賢斗には、金メダルを脅かす強力なライバルが出現した。

「中国の石宇奇です。現在世界ランク2位ですが、昨年12月のワールドツアーでは、桃田にストレート勝ちして優勝している。まだ23歳と若く、東京五輪までにはさらに成長してくる」(別のスポーツ紙記者)

 卓球の張本智和も、中国勢に後塵を拝する。4月6日のアジア杯で世界ランク1位の樊振東に完敗した。卓球コラムニストの伊藤条太氏が語る。

「張本の金メダルは厳しいと思います。彼の最大の武器はチキータ(バックハンドでの強打)ですが、中国勢は卓球台から距離を取ることでスピードを殺すなど“張本対策”に余念ない。女子の伊藤美誠も金メダル候補に挙げられていますが、やはり中国勢は徹底的に研究している。彼女が得意とする逆回転チキータにも対策を講じてきています」

 お家芸の柔道にも黄信号が灯る。

「国際柔道連盟の世界ランク1位(73kg級)のアン・チャンリン(韓国)は脅威です。在日韓国人3世で、筑波大学時代には全日本学生選手権大会を制覇しています。同じ階級の大野将平をライバル視していて、『十分に勝てる』と豪語している」(柔道連盟関係者)

 体操の内村航平は、“絶対王者”と呼ばれたかつての自信が見えてこない。スポーツジャーナリストの折山淑美氏が語る。

「個人総合での優勝にこだわってきた彼が、最近は『種目別を狙う』と、控え目な発言に終始しています。リオ五輪銀メダリストのオレグ・ベルニャエク(ウクライナ)ら若い世代の追い上げもあり、少し弱気になっているのかもしれません」

 ロンドン五輪で銀メダルに輝いた女子サッカー「なでしこJAPAN」は、6月開催のW杯がメダル獲得を占う試金石になる。

「女子サッカーはW杯と五輪を同じメンバーで戦います。澤穂希や宮間あやのようなスター選手が不在のなかで、イングランド、スコットランド、アルゼンチンと強豪揃いのグループで戦わなければならない。ここで惨敗するようなら、東京五輪も厳しい闘いになるだろう」(サッカーライター)

 厳しい闘いが待ち受けているが、光明もある。前出の折山氏が語る。

「ホームならではの声援や、時差ボケなく調整できるなど、自国開催のメリットは確かにある。国内メディアの注目も大きいので、マイナー競技の出場者ほど、『ここで金メダルを取ればメジャー競技になれる』と強い意気込みを持っています。注目されていない競技で、思わぬメダルラッシュがあるかもしれません」

 本番までまだ1年以上ある。“五輪公式チャンネルの呪い”を打ち破り、表彰台の中央に日の丸を次々と掲げる姿を見たいものだ。

※週刊ポスト2019年4月26日号

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