中日・高橋周平と巨人・岡本和真 新監督で明暗分かれる

中日・高橋周平と巨人・岡本和真 新監督で明暗分かれる

巨人の若き主砲が悩んでいる

 熱心な“竜党”にとっては、「やっと」という感慨もあるのだろう。プロ野球の中日・高橋周平(25)のバットがついに覚醒した。打率.344でリーグトップをひた走り、交流戦に入ってからは主砲・ビシエド(30)を退けて4番に座る(数字は6月11日終了時点、以下同)。

「8年目を迎えた今季、与田剛・監督からキャプテンに指名され火が付きました。5月は、日本記録に並ぶ月間8度の猛打賞を記録するなど、25歳での抜擢に応える活躍を見せています。

 高橋は長年、未来の“竜の顔”として期待されながらも伸び悩んできた。昨季は初めて規定打席に到達しましたが、チャンスで森繁和・前監督に代打を送られ、ベンチで悔しさを滲ませる場面もあった。昨年コンバートされたセカンドから、今年は本職のサードに復帰したことも大きかった」(スポーツ紙デスク)

 対照的に“ブレーキ”がかかっているのが巨人・岡本和真(22)だ。昨季は全試合に出場し、打率・309、33本塁打、100打点をマーク。22歳シーズンでの100打点は、1996年の松井秀喜を抜いて最年少記録だった。

 だが飛躍のシーズンから一転、打率は.256と低迷する。

「岡本は昨季の春季キャンプでその松井氏から直接指導を受け、打撃のコツを掴んだのか、見違えるように良くなりました。その様子を見ていた高橋由伸・前監督は直接指導はせず、二岡智宏・打撃コーチに任せて、我慢強く4番で使い続けました。

 ただ今季は事情が違う。ヘッドコーチを置かず、チーム全体に厳しく目を光らせる原辰徳・監督は、春季キャンプから岡本へのマンツーマン指導を行ない、シーズンに入ってからも、雨天中止となった甲子園の室内練習場で指導するなど“教え魔”のように試合前の微調整を繰り返している。だが、マジメな性格が災いして原監督のアドバイスを過剰に気にしすぎているように見える」(番記者)

 明暗分かれる両者に共通するのは、今季「新監督」のもとでプレーしていることだ。もちろん、選手の調子の浮き沈みには、個々人の努力や慢心など、様々な要因がある。しかし、選手にとって、「監督との相性」も重要な要因となることは間違いない。

 過去には、前年に成績が振るわなかった小早川毅彦や遠山奨志が、名将・野村克也・監督のもとに移籍してかつての輝きを取り戻したケースがあった。

 だが、その野村監督のもとで芽が出なかった今岡誠が、代わって就任した故・星野仙一・監督に抜擢されて主軸を担った例もある。

“野村再生工場”で復活を遂げた遠山氏が語る。

「監督が代わると、チームカラーも変わる。固定観念がリセットされます。とくに、くすぶっている選手にとっては絶好のアピールチャンスになる。僕の場合は、野村監督が『野球の“や”の字』からやり直そうとしてくださった中で、“何でもしてやる”という気持ちでしたからね。監督が代わって指導がマッチすれば、色々な可能性は出てくると思います」

◆原監督に合う選手、合わない選手

 前出・スポーツ紙デスクが続ける。

「中日・与田監督も“広報担当”と親しまれるほど、メディア対応を丁寧にすることで、選手に対する批判をかわしている。落合博満・監督時代は、メディアに全く対応せず、批判的な報道が選手に向いたこともありましたからね」

 一方、野球評論家の江本孟紀氏は、ビヤヌエバ(27)とゲレーロ(32)の両外国人を同時に二軍に落とすことができる原監督を「危うさのある全権監督」としつつも、その采配をこう評価する。

「投手陣では、中川皓太(25)や桜井俊貴(25)ら台頭してきた若手をすかさず抜擢し、そういった選手が結果を残している。この判断力は、3度目の政権となる原監督の経験が生かされているように思います」

 自主性に任せて伸びる部下がいれば、厳しく指導して伸びる部下もいる。“部下への指導”が難しいのは、プロ野球の世界でも変わらない。

※週刊ポスト2019年6月28日号

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