巨人・原監督が大城をスタメン起用し阿部を控えに回す意図

巨人・原監督が大城をスタメン起用し阿部を控えに回す意図

一塁スタメンでの起用が増えている大城卓三(写真:時事通信フォト)

 交流戦の優勝こそ逃したものの、交流戦6カード中5カード勝ち越しでセ・リーグ1位となった巨人。開始前はセ首位の広島に4.5ゲーム差を離されていたが、交流戦が終わってみると巨人が首位に立ち、2位・広島に1ゲーム差を付けた(6月24日現在)。

 巨人は交流戦でセ1位となった過去5度中4度、シーズンで優勝を果たしており、今年もその期待が膨らんでいる。野球担当記者が話す。

「交流戦では坂本勇人は1割8分3厘、亀井義行が2割3分4厘と不振にあえいだにもかかわらず、チームは最後までソフトバンクとVを争った。野手陣では大城卓三、若林晃弘、重信慎之介などがスタメンに名を連ね、投手陣では桜井俊貴がローテーションに入り、中川皓太が抑えに定着した。若手成長の中でのセ1位は、なおさら価値が高い」(以下同)

 長年、巨人を支えてきたベテランの阿部慎之助は交流戦2戦目の楽天戦で今季初スタメン。全体を通しても、パ・リーグ本拠地でDHとして7試合、Vの掛かったソフトバンクの1、2戦目だけスタメンに名を連ねた。阿部のポジションである一塁には、主に大城卓三が座っている。

「大城は交流戦で2割5分と決して当たっていなかった。近視眼的に見れば、阿部を使い続けたり、交互に起用したりしたほうがよかったかもしれません。しかし、原監督は大城の伸びしろに期待している。阿部をレギュラーで使えば、ある程度の数字は残すかもしれませんが、後半になると疲れも出てくるだろうし、シーズン通しての爆発は考えづらい。それならば、前半戦のうちに若手に経験を積ませ、成長を促す。阿部を交流戦優勝のかかったソフトバンク戦でスタメン起用したように、シーズン後半戦の大事な所でベテランの力に頼る算段でしょう」

 大型補強のイメージの強い巨人だが、交流戦最後の3カードで丸佳浩、陽岱鋼、炭谷銀仁朗というFA移籍組3人が揃って出場したのは、23日のソフトバンク戦のみ。それ以外は2人(4試合)か1人(4試合)の出場にとどまっている。

「原監督は1次政権では斉藤宜之、2次政権では松本哲也、亀井義行など積極的に若手を抜擢し、使いながら育ててきた実績もある。ベテランや移籍組ばかりでは黄金時代を作れないと、経験上わかっています。現役晩年、FA組の落合博満や広沢克己、外国人のジャック・ハウエルにポジションを奪われ、引退に追い込まれましたから」

 移籍組がチームに足りない所を埋め、活躍することで若手にチャンスが生まれている。今年の巨人には、『死に駒』が少ない形になっているという。

「丸や炭谷が既存の選手に良い刺激を与えているし、彼らが期待に応える働きをしてくれるので、若手に出場機会を与えられる。彼らがいなかったら、原監督も阿部をスタメンで起用せざるを得なかったかもしれません。

 2次政権の2008年、ヤクルトからラミレス、日本ハムから小笠原道大を獲得しての優勝で批判も浴びたが、2人がいたからこそ、19歳の坂本勇人をスタメンで使い続けることができた。あの時のラミレスや小笠原の役割を丸が引き受けている。今年の交流戦も勝てていたから、大城を辛抱強く5番に置けた。もちろん、高橋由伸・前監督が岡本和真を辛抱強く4番で起用し、ある程度計算できる選手に育てたことも見逃せません」

 勝利と育成を両立させている原監督。5年ぶりのリーグ優勝を掴めるか。

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