白鵬、先場所優勝の朝乃山を出稽古でボロボロにした意図

白鵬、先場所優勝の朝乃山を出稽古でボロボロにした意図

土俵入りする横綱白鵬(時事通信フォト)

 その言動がたびたび問題視される一方、幕内最高優勝42回をはじめ、通算勝利数、横綱在位場所数など数々の“歴代1位”の記録を誇る横綱・白鵬が、いよいよ引退の瀬戸際に追い込まれている。34歳という年齢からくる衰えに加え、ケガを抱えた状態で名古屋場所の土俵に立つ。白鵬の“衰え”をはっきりと示しているのが、「初顔合わせ」の成績だ。

 もともと白鵬は初顔に滅法強いことで知られてきた。2009年秋場所で翔天狼(現・春日山親方)に勝って以降、幕内で初顔合わせの相手に28連勝。昭和以降では2位の記録だった。

「この記録が2017年初場所の中日、荒鷲(現在は十両10)に敗れてストップし、同じ場所の14日目には貴ノ岩(2018年に引退)にも初顔で土をつけられた。このあたりから力の衰えが感じられるようになり、よりはっきりしたのが昨年夏場所6日目、当時は平幕の阿炎(小結)との初顔の一番だった。立ち合いで阿炎の回転の速い両手づきをくらった白鵬は、なすすべもなく後退し、完敗。今年に入っても初場所5日目に錦木(現在は前頭11)との初顔合わせで取り直しの末に辛くも白星を拾うなど、“白鵬に何か起きるとすれば初顔の一番”というのが共通認識になっている」(若手親方)

 今場所は対戦のありそうな上位陣に、初顔となる力士が2人いる。

 1人は東前頭筆頭で先場所初優勝を果たした朝乃山だ。先場所全休した白鵬とは初顔合わせとなる。右の相四つとなるため、がっぷり四つに組んだ展開が予想される。

「場所前、朝乃山は単身で豊田市の宮城野部屋の稽古場に出稽古に行っている。白鵬がわざわざ“稽古してみたい”と指名したことで実現した。これは白鵬がよく使う手で、マークすべき上り調子の若手力士が出てくると、場所前の稽古で土俵に叩きつけて恐怖心や苦手意識を植え付ける。

 実際、朝乃山は2勝9敗とボロボロにされ、最後には張り手で脳震盪まで起こして土俵に倒れ込んでいた。ただ、注目すべきは三番稽古の最初の一番で、朝乃山が押し出しで勝ったこと。横審の稽古総見などでも“本場所の結果を占うのは最初の一番”というのが常識。稽古場での白鵬の張り手にビビっていないことが条件になるが、相撲勘の戻っていない横綱相手なら、十分に勝機がある」(相撲担当記者)

※週刊ポスト2019年7月19・26日号

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