なぜ、サッカーと相撲は野球と異なり「大型連敗」が少ないか

なぜ、サッカーと相撲は野球と異なり「大型連敗」が少ないか

大分のファンが連敗中に掲げた横断幕(写真/共同通信社)

 今季のプロ野球は“大型連敗”が目立つ。ヤクルトが16連敗したかと思うと楽天も10連敗、そして広島までもが11連敗と、悪夢が続いた。そもそも10連敗以上の大型連敗が起きるスポーツは珍しい。サッカー・Jリーグでの連敗記録(延長なし)は2009年の大分トリニータの14連敗だが、これは稀な例だという。

「野球のように毎日試合があるわけではなく、週1回の試合ということで負けても立て直す時間がある。さらに基本的にホームとアウェイで試合を交互にするので大型連敗になりづらい」(元日本サッカー協会副会長・釜本邦茂氏)

 個人競技の相撲の連敗記録は序ノ口・服部桜の89連敗で、横綱では稀勢の里(現・荒磯親方)が8連敗(不戦敗を入れると10連敗)を喫し、場所中に引退している。

「相撲は負ければ番付が落ちるため、服部桜のような連敗記録は序ノ口から上がったことがない力士でしかありえない記録です。十両、幕内で15戦全敗というのは、長い歴史の中で9人しかいません」(相撲担当記者)

 そのうちの1人の板井圭介氏(元小結・板井)は現役時代の八百長相撲を告発した力士だ。本誌・週刊ポストのインタビューに全敗した1991年夏場所をこう振り返っている。

「付け人には(中略)場所前から全敗を宣言していた。全勝も難しいが全敗はもっと難しい。(中略)相場より安く星を売る一方で、ガチンコ力士の付け人に“引退するので負けると言っているので、ケガだけはさせないでほしい”と走らせた。中には“あとで莫大なカネを請求されるんじゃないか”と疑ったガチンコ力士もいた」

 こうした“特殊な事情”があったことを踏まえると、大型連敗がしばしば起きる野球は特異なのかもしれない。原因が解明できないから、監督も選手も、そしてファンも深く思い悩む。そこには時に、“常勝”よりも面白い人間ドラマがある。

※週刊ポスト2019年8月2日号

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