元プロ野球選手の葬儀 現役時と引退後所属先、仕切るのは?

元プロ野球選手の葬儀 現役時と引退後所属先、仕切るのは?

星野仙一さんの「お別れの会」(写真/時事通信フォト)

 ジャニー喜多川氏(享年87)の「家族葬」には所属事務所のタレント総勢100人以上が集まった。さらに8月には「お別れの会」が予定されている。有名人の葬儀の裏には花の並べ方や焼香の順番まで、慎重かつ入念に準備された“序列”がある。

 スポーツ選手の場合も、交際範囲が広く、ファンも多い有名選手となれば、葬儀は大規模なものになる。

 2018年4月に亡くなった衣笠祥雄氏(享年71)のお別れの会は6月28日に広島市内のホテルで行なわれたが、選手や野球界OB800人とファンを合わせて約3000人が参列した。

「引退後は監督として広島に復帰することがなかったため、現役時代の広島球団と衣笠氏が亡くなるまで専属解説者を務めていたTBSで“どちらが仕切るか”を話し合ったそうです。最終的に発起人には広島のオーナーとTBSの社長の2人が並び、それに名球会が協力する形に収まった。緒方孝市監督がユニフォーム姿で参列するなど、やはりカープカラーが強かったですね」(球団関係者)

 プロ野球選手の場合、現役時代に活躍した球団と監督・コーチなど引退後の所属先のどちらが仕切るかが難しい。衣笠氏は“広島一筋”だったが、監督として複数球団で監督を務めたりした場合は、特に複雑になる。

 2018年1月に死去した星野仙一氏(享年70)はまさにそのケースだ。

「監督としては中日、阪神、楽天と3球団を渡り歩いたので、それぞれの関係者やファンのために、名古屋・大阪・東京の3か所でお別れの会が開かれました。メインは都内のホテルでのお別れの会。中日、阪神、楽天のユニフォームを着た星野さんの写真が3枚飾られ、最後の所属だった楽天の三木谷浩史・オーナーが挨拶しました。球団副会長まで務めたので、重きを置いたということでしょう。球界代表としては、六大学時代以来のライバルで親友でもある山本浩二氏が弔辞を読み上げました。

 大阪で阪神球団が主催したお別れの会では、弔辞を阪神オーナー、金本知憲・阪神監督(当時)、六大学時代のライバルで元阪神選手の田淵幸一氏が読むなど阪神カラー一色でした」(スポーツ紙記者)

 星野氏は現役時代は中日一筋で、監督としても球団を優勝に導いた功労者だが、他の2か所に先駆けて名古屋のホテルで催されたお別れの会は様相が違った。

「星野さんが中日と疎遠になっていたからでしょう。それでも名古屋の財界人には人気があったので、発起人は中日とは関係のない大村秀章・愛知県知事で、星野さんの個人後援会が仕切った。中日のオーナーや森繁和監督、現役選手の姿はありませんでしたが、監督時代の主力だった球団OBの立浪和義氏やファンら約2000人が駆けつけました」(中日担当記者)

 さまざまな配慮やしがらみはあろうが、故人を悼む気持ちが最も大切であることは、どんな大物でも変わりがない。

※週刊ポスト2019年8月2日号

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