2019年夏の甲子園予選 全国各地で発生した大物食いの下克上

2019年夏の甲子園予選 全国各地で発生した大物食いの下克上

真夏の甲子園を制するのはどの高校か

 2019年夏の甲子園を目指して繰り広げられた地区予選は、全国でいくつもの番狂わせが起きた。神奈川では横浜高校が県立高校の相模原に5点差を逆転されて破れ、愛知では春の選抜優勝の東邦が8回コールド負けを喫した。ノンフィクションライターの柳川悠二氏が、番狂わせが多かった今年の夏の予選をレポートする。

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 高知・春野総合運動公園野球場には、明徳義塾・馬淵史郎監督の高笑いが響いていた。

「2カ月ぐらい前から150キロを打つ練習をしてきた。初回にバッテリーエラーで得点でき、満塁の場面でバントが一番得意なバッターに打順が回り、スクイズを決められた。すべてが思い通りにいった。まあ、勝てる時はこんなもんやね」

 昨年、軟式球で150キロを記録した1年生エース森木大智の高知との決勝。馬淵監督はこの試合まで登板のなかった背番号「11」の新地智也をマウンドに送った。

「準決勝までは他の投手で勝てると思っておった。結果として、隠していたことになるんかな。球速は120キロ台ですが、丁寧に放るし、大会前の練習試合でも良い投球をしてた。投手は球速がすべてではないという見本のような投球やった。150キロの投手と対戦して、120キロの投手がヒット4本に抑えるんやから」

 百戦錬磨の明徳義塾と馬淵監督を前に、高知はジャイアントキリングを果たせず。だが、全国各地で大物食い、下克上が起きたのも今年の夏の特徴だった。

 愛知大会は、センバツ覇者の東邦が2回戦の星城戦に敗れるという波乱のスタートとなった。4回戦で愛工大名電を、準々決勝で星城を、そして準決勝で中京大中京を破った誉が、春夏通じて初出場を決めた(甲子園では6日の初戦で敗退)。

 西東京では早稲田実業、東海大菅生という、近年の西東京を牽引してきた両校に勝利した國學院久我山が、千葉ロッテの井口資仁監督の高校時代以来となる、28年ぶりの聖地帰還を果たした。

 甲子園でもジャイアントキリングは起きるのか。

※週刊ポスト2019年8月16・23日号

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