渋野日向子、ギャラリーとハイタッチ 世界に2人だけの好感度

渋野日向子、ギャラリーとハイタッチ 世界に2人だけの好感度

笑顔のお手本はミッキーマウスだという(写真/時事通信社)

 決めれば優勝、外せばプレーオフ。大きなプレッシャーのかかる5mのロングパットを強気で叩くと、ボールはまっすぐカップに吸い込まれた。その瞬間、手を天高く突き上げ、満面の笑みでギャラリーの大歓声に応えた――。

 日本時間の8月5日、初のメジャー大会出場となった全英オープンゴルフで見事に優勝を果たした渋野日向子選手(20才)。どんな時にも笑顔でプレーを続けた彼女は、海外メディアに「スマイリング・シンデレラ」と称され、世界のファンをも魅了した。

 優勝会見では「今の気持ちは言葉にできないくらいうれしいのと、お腹が空いた」と話し、「どうやって祝うのか」という質問には「お菓子をいっぱい食べます」と答えて報道陣を笑わせた。

 渋野選手は岡山県岡山市の出身。8才の時にソフトボールと同時にゴルフを始めた。中学では軟式野球部に入部し、ゴルフと両立させていたという。

「3年連続で岡山県ジュニアゴルフ選手権で優勝し、軟式野球部の監督から“ゴルフ一本にした方がいい”と言われてゴルフに専念することを決断したそうです。作陽高校時代には高校ゴルフ選手権で優勝しています」(ゴルフ関係者)

 しかし、順風満帆とはいかなかった。同じ学年で、1998年度生まれには、アマチュア時代の15才でツアー優勝した勝みなみをはじめ、畑岡奈紗、新垣比菜、大里桃子らがいる。“黄金世代”と呼ばれる世代で、渋野は高校卒業直後の2017年のプロテストで、ただひとり不合格。昨年7月に合格したものの、同期が次々にレギュラーツアーで優勝を飾る中、彼女は下部ツアーで戦い続けた。

「プレーがうまくいかないとすぐに表情に出てしまい、それが成績の不安定さにつながっていた」(ゴルフ誌記者)

 そんな渋野選手を変えたのは、両親のアドバイスだったという。

「“感情を出すとスコアが乱れる。常に笑っていろ”と言われ、プレー中に笑顔をたやさなくなってから大きく変わった。全英オープンでの笑顔も実は“作り笑顔”です。

 さらに彼女はその先もすごい。今ゴルフ選手で、ギャラリーとハイタッチをするのは、世界でもトップ中のトップであるアメリカのフィル・ミケルソン選手(49才)くらい。彼はニコニコしながらハイタッチをするのですが、実はそうできる選手はいません。ゴルフはメンタルのスポーツですし、ちょっと指を痛めるなど何かあったら大変ですから。でも、ミケルソン選手はハイタッチによってギャラリーを味方にしてしまう。実は、渋野選手もあっけらかんとハイタッチをしてみせる。これができるのは世界で“2人だけ”といえるほどの好感度と度胸だと思います」(女子ツアー関係者)

 渋野選手の次の目標は「東京五輪出場」だという。

「彼女の両親はともに陸上部出身。父親は円盤投げ、母親はやり投げの選手でした。アスリートにとって五輪は憧れです。一度は夢見たことでしょう。だから、渋野選手の五輪出場は、本人だけでなく両親の夢でもあるそうです」(渋野選手の知人)

 東京五輪のゴルフ競技では、来年6月30日時点での五輪ポイント上位60人、原則1か国2人に出場優先権が与えられる。今回の全英オープン優勝で、渋野の世界ランキングは14位(8月6日現在)にアップし、畑岡に次いで日本人2位。

「女子の代表争いは激烈ですが、可能性はグッと高まったといえます」(ゴルフ関係者)

 東京五輪の表彰台の真ん中で、再びあの笑顔を見せてほしい。

※女性セブン2019年8月22・29日号

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