東京五輪 大型台風直撃でも「放映権」のために強行開催か

東京五輪 大型台風直撃でも「放映権」のために強行開催か

大型台風が五輪を直撃したらどうなる?

 東京五輪の開催期間は2020年7月24日から8月9日まで。競技実施期間は16日間となっている。

 計1010万人の観客が訪れると予測されるこの世界イベントに、冷や水を浴びせかねないのが「台風」だ。今年のお盆に台風10号が全国で猛威を振るったばかりだが、同じ規模の台風が五輪開催中の東京を直撃することは十分に考えられる。

 近年、7月末〜8月上旬にかけて日本に台風が上陸・接近する回数は増えている。昨年は五輪最終日と重なる8月9日に台風13号が関東地方に接近、一昨年の8月7日には台風5号が列島を直撃した。

「台風なんて1〜2日で通過する。少しだけ日程を順延すれば済む話じゃないか」という意見も聞こえてきそうだ。

 東京オリンピック組織委員会戦略広報課は、「各国際競技団体の定めにより異なりますが、スケジュール進行に影響を及ぼす事象がある場合、個々の状況にあわせて、組織委員会、IOC、国際競技団体等で協議を行ない、遅延、延期、前倒し等の判断を行ないます」と説明する。

 しかし五輪はそう簡単に日程を延期することができない事情がある。オリンピック憲章では〈オリンピック競技大会の競技実施期間は16日間を超えてはならない〉(規則32付属細則)と定められている。そのため、たとえ競技日程を順延したとしても、全日程を8月9日の閉会式までに終わらせなければならないのだ。甲子園のように1種目に限られた大会なら延期の調整もきくが、五輪は33競技全体に影響が及ぶため容易ではない。

 また、五輪の収益の大部分を占める「放映権料」の問題もある。東京都の招致活動で推進担当課長を務めた経験のある鈴木知幸・国士舘大学客員教授がいう。

「米国を中心に各国のテレビ局はIOCに莫大な放映権料を払っている。たとえば米NBCユニバーサルは、2014年ソチ五輪から2032年の夏季五輪まで10大会分の米国向け放映権を120億ドル(約1兆3000億円)で独占契約している。それほどの巨額が動くため、放送スケジュールに影響する競技日程を変えるのは難しい」

※週刊ポスト2019年8月30日号

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