角界で新手の“かわいがり方” 動画を撮影しループ再生も

角界で新手の“かわいがり方” 動画を撮影しループ再生も

千賀ノ浦親方の指導力が問われる(写真/時事通信フォト)

 付け人への“2度目の暴力”が発覚し、相撲協会から自主引退を促されている十両・貴ノ富士の問題が、こじれにこじれている。なぜ、角界では「暴力」「イジメ」が繰り返されるのか。

 貴ノ富士は所属する千賀ノ浦部屋の新弟子たちを「ニワトリ」「障害者」などと呼ぶ暴言を繰り返し、8月末には先に風呂に入った付け人の額を殴っていたことが明らかになった。

「貴乃花部屋に所属していた昨年3月にも付け人への暴力沙汰を起こしていたので、協会は自主的な引退を促したが、貴ノ富士は反発。会見を開き、謝罪はしながらも、あくまで“指導”の一環で相手はケガもしていないと主張した。引退を回避するために法廷闘争も辞さない構えです」(担当記者)

 わかりやすい暴力が消えてもなお、関取と付け人の上下関係は強固だ。様々な「指導」の機会がある。風呂場での背中流しから、ちゃんこの給仕、本場所中は関取の明荷(あけに)や座布団の運搬など、付け人の仕事は多い。その延長線上にどんな行為があるかは、関取次第だ。

「大部屋での共同生活をしている以上、いくら親方が注意しても、目の届かないところはある。いまも新弟子に対しては“ちくわ(中身がない)”“はーちゃん(間抜けの意)”といった隠語があるし、激しい稽古と暴力の境界はどうしても曖昧。親方が不在であれば土俵で長時間の“かわいがり”ができる」(協会関係者)

 かつてはなかった“かわいがり方”も登場している。

「千賀ノ浦部屋では貴ノ富士の双子の弟・貴源治が新弟子に“自分は頭が悪いです”と言わせてポーズを取らせ、スマホで撮影していた。動画を繰り返し再生していたぶるのです」(同前)

 近年、相撲部屋の環境が変わっている影響もありそうだ。元力士が証言する。

「関取まで出世すると自覚を持つ人も少なくないが、タチが悪いのは幕下の兄弟子たちのイジメ。かつては、関取衆も部屋のなかの個室で生活するのが当たり前だったのに、近くのマンションなどで暮らすことが増えた。夜は幕下以下の力士ばかりになって、止める人がいなくなってしまう」

 貴ノ富士は会見で協会の暴力根絶の取り組みについて、「手を出さない代わりにどう指導していったらいいのかは教えてもらっていない」と主張したが、苦しい釈明である一方、実情の一端を明らかにした言葉かもしれない。

※週刊ポスト2019年10月18・25日号

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