ラグビーW杯 日本連勝で生じたチケット購入者の嬉しい誤算

ラグビーW杯 日本連勝で生じたチケット購入者の嬉しい誤算

予選第2戦でアイルランドに勝ち、日本のプールA1位通過の可能性が出てきた(AFP=時事)

 9月に開幕したラグビーW杯は、グループリーグの大詰めを迎えている。日本代表の快進撃で、世間的な注目度は急激にアップ。今月5日に行われた日本対サモアのゲームは、瞬間最高46.1%、平均32.8%を記録し、今年のスポーツ中継で最高の数字を叩き出した。

 筆者は9月20日の日本対ロシアを東京・調布駅前のパブリックビューイングで、21日のフランス対アルゼンチン(東京スタジアム)、22日のアイルランド対スコットランド(横浜国際総合競技場)、10月6日のニュージーランド対ナミビア(東京スタジアム)、9日のアルゼンチン対アメリカ(熊谷ラグビー場)を現地で観戦した。

 どのゲームでも多くの観客がお気に入りのチームのジャージを着こみ、仮装かと見まがう趣向を凝らしたコスチュームで思い思いに観戦していた。外国人ファンは、ビール片手にところかまわず歌いだし、雄たけびを上げ、日本人ファンと記念撮影に収まっていた。スタジアムの中でもそれぞれチームの応援歌があるらしく、雰囲気はまるで海外で観戦しているかのよう。そんな異国の人たちとウェーブに参加して一体感を得ることもできた。

 日本代表が悲願のベスト8進出を決めることができるかどうかは、13日の日本対スコットランドが大一番となる。ここでベスト8進出条件を整理しておこう。5チームで構成するAからDの4つのグループで、それぞれ上位2チーム(計8チーム)が決勝トーナメントに進出する。

 大会規定と順位決定方法は、以下の通り。「勝利チームに勝ち点4を付与」「引き分けは両チームに勝ち点2を付与」「負けは0点」「7点差以内の負けでボーナスポイント(BP)1を付与」「勝敗に関係なく4トライ以上でボーナスポイント1を付与」。グループリーグでは、勝ち点の多いチームが上位となり、勝ち点が並んだ場合、当該2チームの直接対決の勝者が上位となる。

 日本が所属するAグループは、現状でロシア、サモアが敗退決定。勝ち点上位は日本14点、アイルランド11点、スコットランド10点で、この3チームが出場する、今月12日のアイルランド対サモア、13日の日本対スコットランドですべてが決まる。

 仮にアイルランド対サモアのゲームでアイルランドがBPを加えた勝ち点5を獲得した場合、日本はスコットランド戦を引き分け以上で1位通過が決定する。ややこしいのは、日本が負けた場合だ。

 スコットランドに負けても「7点差以内の負け」「4トライ以上」でBP2点を追加すれば、勝ち点16となり、スコットランドを勝ち点で上回り、直接対決で勝っているアイルランドよりも上位となり1位通過。BP1点を獲得しての負けの場合は、スコットランドにBPを与えなければ2位通過。それ以外は予選敗退となる。

 日本がグループリーグを1位で通過することは十分ありえる。筆者は今年6月のチケット購入に申し込んで、前述した4試合をスタジアムで観戦することができた。実はもう一試合、チケットが残っている。──今月20日の東京スタジアムでの準々決勝である。この試合はプールAの1位とプールBの2位が対戦する。

 実は筆者の本命は、この前日に行われるプールAの2位対プールBの1位の試合チケットだった。だが、チケット予約サイトでは早々に売り切れていた。多くの人が日本の「プール2位」を予想してこの日のチケットを買ったからだろう。「パソコンの前でせっかく6時間も待ったんだし、何かが起こって日本が1位通過するかも」と購入したのだった。

 9月28日、プール第2戦で日本がアイルランドに勝った瞬間に、どうしても見たかった日本戦の観戦が現実味を帯びてきたわけだ。筆者と同じく、19日のチケットが取れずに泣く泣く20日のチケットを購入したファンは多かったのではないか。日本が1位になった場合、気になる対戦相手プールBの2位は、そう、あの南アフリカだ。

 ただ、この状況をさらにカオスなものにしているのが台風だ。試合開催がどうなるか気がかりだが、スコットランド戦が行われるなら細かいことは気にせず、日本は勝ち切ってグループリーグを1位で突破したい。

 リーチ・マイケル主将からは、サモア戦のあとスコットランド戦の展望を聞かれて、「ボコりたい。やっちゃいます」と普段から言葉を選ぶ冷静なリーダーにしては過激な発言が飛び出した。前回大会の雪辱を晴らす時は来た。ベスト8という新しい景色を見せてくれ、ジャパン!

●取材・文/岸川貴文(フリーライター)

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