W杯後の日本ラグビー、松尾雄治氏が考える盛り上げ方法

日本ラグビーの黎明期を牽引した松尾雄治氏、W杯後にラグビーをどう盛り上げるか語る

記事まとめ

  • 新日鉄釜石で活躍し、日本ラグビー史上最高のスタンドオフと呼ばれた松尾雄治氏
  • 日本のラグビー協会は「今後どう盛り上げるべきか」もっと考えるべきだと指摘する
  • 「日本人選手と外国出身選手との対抗戦を全国で転戦する」といった提案も

W杯後の日本ラグビー、松尾雄治氏が考える盛り上げ方法

W杯後の日本ラグビー、松尾雄治氏が考える盛り上げ方法

ラグビーを引き続き盛り上げるには?(時事通信フォト)

 日本ラグビーの黎明期を牽引し、かつては新日鉄釜石の監督兼選手として活躍するなど指導者も経験している松尾雄治氏(65)。その松尾氏が、今回W杯で活躍した日本ラグビーを今後どのように盛り上げていくべきか語った。

 * * *
 昔のラグビーは指導者が「やるべきこと」を決めて、それに全員が従っていくというスタイルでした。ですが、今の日本代表はひとりひとりが判断して、その意図を周りが理解して助けていくことができる。「きっと誰かがサポートに来るから、それを信じてパスを出す」という流れができています。戦略性と組織力は確実に上がっていると思いますね。

 これだけレベルが上がってきたら、日本のラグビー協会は、「今後の日本のラグビーをどう盛り上げるべきか」をもっと考えていくべきです。

 ラグビーは生で観戦するのが一番面白い。全国各地で世界レベルの試合をやることが、何よりファン獲得と競技人口の拡大につながります。

 地方の子供たちに生のラグビーの試合を見せ、試合前に子供たちを対象にしたラグビースクールを開設するなど、底辺拡大のためにできることはすべてやるべきです。

 もうひとつは「日本らしいラグビー」の構築です。諸外国の例に漏れず、日本代表も外国人選手に頼るところが大きいが、選手が入れ替わってもコロコロと変わらない「核」が必要です。それを担うのは、やはり日本人選手の役割でしょう。日本の学生ラグビーから代表のスターが絶えず生まれてこなければいけない。

 たとえば今回のW杯の盛り上がりを機に日本人選手と、国内で活躍する外国出身選手との対抗戦を全国で転戦してもいいでしょう。

 そうすることで多くの選手が外国人とのプレーに慣れることができ、選手層を厚くすることにつながるはずです。今回のラグビー熱を一過性のブームで終わらせてほしくないですね。

【プロフィール】まつお・ゆうじ/1954年東京都生まれ。目黒高校、明治大学、新日鉄釜石で活躍。日本ラグビー史上最高のスタンドオフと呼ばれる。明大を初の日本一に導き、1979年からは新日鉄釜石の選手、主将、監督兼選手として社会人選手権、日本選手権7連覇を達成する。

※週刊ポスト2019年11月1日号

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