ケガ多い永谷園CM出演力士 遠藤は乗り越えられるのか

ケガ多い永谷園CM出演力士 遠藤は乗り越えられるのか

人気力士には人気力士の悩みがある

 空前の相撲ブームの到来とともに、5月場所は、支度部屋の空気からして、かつてないほど張り詰めている。

「横綱たちが睨みをきかせているのはもちろんですが、平幕力士たちが準備運動で四股を踏んだり、付け人を相手に盛んに立ち合いのぶつかり稽古をしている。

 勝負を終えた力士に話を聞こうにも、取組を控えた力士の醸し出す緊張感に、報道陣が居づらいくらい。ベテラン記者たちは“昔は力士も記者も支度部屋ではのんびりしたものだったのに……”といっています」(担当記者)

 本誌・週刊ポストの前号(5月26日号)では、横綱・稀勢の里と対戦が予想される幕内上位力士である玉鷲(関脇)、御嶽海(小結)、嘉風(同)、千代の国(前頭1)、遠藤(同)、隠岐の海(前頭2)、正代(前頭5)らを「ガチンコ十勇士」として注目株に挙げた。

 彼らが緊張ある支度部屋を演出し、さらに土俵上で期待通りの活躍を見せている。

「館内での拍手の量を聞くと“ファンは分かっているんだな”と思いますよ。幕内の取組が中盤以降になると隠岐の海や遠藤、千代翔馬(前頭2)、大栄翔(前頭3)といったガチンコ実力派の登場で声援が大きくなる。前日に負けていても、いい相撲を取った力士が熱心に応援されている」(同前)

 その象徴が嘉風だ。初日に稀勢の里を破っただけではない。2日目の白鵬戦も敗れはしたものの、縦横に動き回って激しい突っ張り合いを展開。3日目にはカド番大関の豪栄道を破り、4日目は横綱・鶴竜に土をつけて休場に追い込んだ。

 大声援を浴び、舞台裏でも意気軒昂だ。初日に稀勢の里を破った嘉風は支度部屋に戻ると、54本の懸賞金袋を手に、「お金のためにやってるわけじゃないんですけどね」とおどけて見せた。

「3日目、稀勢の里が驚異の粘りで千代の国に逆転勝利するのを支度部屋のテレビで見ながら、嘉風は、“オレが今日当たっていたら(横綱に)残されていたよな。危ない、危ない”と饒舌でした。テンションが上がってしまい、翌日の土俵に上がるのが待ちきれない印象でした」(ベテラン記者)

 初日に鶴竜を下した御嶽海も「横綱戦を前に“母親が観に来ているので負けられない”と息巻いていた。横綱相手の取組前にそんなふうにいえるのは相当な強気」(同前)である。

 永谷園のお茶漬け海苔のCMに出演し、同社の懸賞が毎日かかる遠藤も抜群の存在感だ。

「初日の大関・照ノ富士戦はCM契約を結んだ者同士の“永谷園対決”でしたが、相手の懐に入って大関を吹っ飛ばして圧勝。“麻婆春雨(照ノ富士がCM出演)よりお茶漬けが永谷園の主力商品だ”と笑い話になっていた」(協会関係者)

 永谷園のCM出演力士は懸賞が集まりやすい。他の力士が全力でぶつかってくるので、ケガが絶えない。かつての高見盛(現・振分親方)と同様、遠藤も故障に苦しんできたが、ケガも癒えて三役昇進を狙えるようになってきた。一つでも勝ち星を拾うべく、終盤戦もガチンコの土俵が続く。

※週刊ポスト2017年6月2日号

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