東京五輪 お家芸の柔道以外で金メダルを狙える競技は?

東京五輪 お家芸の柔道以外で金メダルを狙える競技は?

競泳のエース・瀬戸大也には複数の金メダルの期待がかかる(写真/GettyImages)

 東京五輪で興味が集中するのは、やはり日本勢がどこまでメダルを獲得できるかだ。世界的なスポーツデータ分析会社である米「グレースノート社」が東京五輪のメダル予測を行ったところ、日本は金30個という前回リオ五輪の金12個を遙かに凌ぐ大躍進の数字が出た。なかでも、柔道は新設される混合団体を含めた15種目のうち13種目で金と予想されている。ちなみに銀は23個で銅は11個で合計64個だ。

 一方で、金30個のうち13個が柔道に集中するという予想は、他の“お家芸”の展望が必ずしも明るくないことも意味する。

「過去の五輪結果を見ると、日本は柔道、レスリング、体操、競泳の4競技で金メダルを稼いできた。リオでは金12個のうち11個がこの4競技でした(柔道3、レスリング4、体操2、競泳2)。柔道以外の3競技は前回から金メダルを積み増せない可能性がある」(スポーツジャーナリスト)

 レスリングは吉田沙保里が引退し、五輪4連覇中だった伊調馨も出場を逃した。その穴をどこまで埋められるかが課題だ。昨年の世界選手権を制した女子フリースタイル57kg級の川井梨紗子、男子グレコローマンスタイル60kg級の文田健一郎に期待が集まる。

「体操も、リオで個人総合の金を獲った内村航平が、世代交代の波のなかで昨年10月の世界選手権の代表から漏れた。ロシアや中国が台頭したこともあり、個人の種目別を含めて世界選手権で金メダルはゼロ。体操競技のなかで金に最も近いのはトランポリン女子の森ひかるでしょう。

 競泳は女子のエース・池江璃花子が白血病で療養中。リオの男子400m個人メドレーで金を獲った萩野公介がスランプに陥っている。個人メドレーやバタフライでの瀬戸大也に期待が集中することになる」(同前)

 グレースノート社の予測でも、瀬戸は日本選手で唯一、「個人で金2つ」となっている。

 これまでの“お家芸”と入れ替わるように、金メダル候補が次々と現われた競技もある。陸上の「競歩」がその代表格だ。スポーツ紙の五輪担当デスクがいう。

「リオでも荒井広宙が男子50km競歩で銅を獲得したが、今回は男子20kmの山西利和、同50kmの鈴木雄介が昨年の世界陸上で優勝。札幌へのコース変更による高速化の影響が懸念されるが、金メダル最有力候補であることに変わりはない」

 同じく“世界王者”では、バドミントンの男子シングルスの桃田賢斗の名も挙げられていたが、1月に遠征先のマレーシアで交通事故に巻き込まれ、最近になって右眼窩底を骨折していたことが判明。2月8日に手術を受けて全治3ヶ月と診断されており、五輪への影響が心配されている。

 2008年の北京五輪以来の正式種目となった女子ソフトボールは、37歳になったエース・上野由岐子がチームを引っ張る。男子の野球とともに、グレースノート社は金メダルを予想する。

「卓球はシングルス男子の張本智和、女子の伊藤美誠が圧倒的な強さの中国勢に対し、ホームの大声援を受けてどれだけ対抗できるかが注目です。新設された混合ダブルスでは、昨年の世界選手権2位の吉村真晴、石川佳純ペアではなく、水谷隼と伊藤が組むことに内定。それだけレベルの高い争いを勝ち抜いた選手が代表となっている。前回のリオで銅の女子団体を含め、金は厳しいかもしれないが、メダルラッシュの可能性はある」(前出のスポーツ紙デスク)

 女子テニスでは昨年、世界ランク1位となった大坂なおみが日本国籍を選択して東京五輪に臨むが、連覇を目指した全豪オープンは3回戦敗退に終わり、世界ランク10位まで後退。グレースノート社の予想でも4位となっており、夏までの復調が待たれる。

※週刊ポスト2020年2月21日号

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