好角家オススメの「大化け力士」 玉金剛、矢後、貴景勝ら

好角家オススメの「大化け力士」 玉金剛、矢後、貴景勝ら

矢後に熱い視線が集まる(写真:時事通信フォト)

 全盛期の力を失ったら、あとは土俵を去るだけ──ガチンコ力士たちが幕内上位に顔を揃え、角界の“実力主義”はどんどん厳しくなっている。では、名古屋場所後に横綱・白鵬(32)が目標に掲げた「東京五輪での土俵入り」の頃には、どんな面々が土俵上で躍動しているのか。

 名古屋場所は白鵬の独壇場の印象が強かったが、現在、角界は新世代の台頭で過渡期に差しかかっている。

「実際、名古屋でも宇良(25、前頭4)、御嶽海(24、関脇)、北勝富士(25、前頭2)らの活躍が目を引いた。一方、17年ぶりの4横綱時代と騒がれた割には、横綱鶴竜(31)と稀勢の里(31)は2場所連続で途中休場。4横綱が揃って全勤した場所はまだない。白鵬の充実と若手の台頭ばかりが目立っている」(担当記者)

 待望の日本人横綱・稀勢の里は3月場所で負傷した左胸、上腕部の故障を引きずっている状態だ。

「最大の武器である左の押っつけの威力が半減し、かつての相撲が取れないでいる」(同前)

 好角家4人に「3年後の横綱」を予想してもらうと、作家の高橋三千綱氏は宇良、正代を、料理人の神田川俊郎氏は白鵬と高安(27、大関)を、元NHKアナウンサーの杉山邦博氏が白鵬と稀勢の里をあげ、やくみつる氏が空位と予想。3人が、“3年後の土俵に稀勢の里はいない”と考えているのだから、やはり深刻な状況にあるといえそうだ。

 現在の大関陣についても評価は厳しい。来場所はカド番に追い込まれる豪栄道(31)と照ノ富士(25)が揃って大関にとどまるという予想はなかった。新大関として臨んだ名古屋場所で9勝6敗に終わった高安についても、前出・高橋氏はこう評す。

「3年後は前頭筆頭あたりまで落ちているでしょう。稀勢の里が引退すれば、同じ部屋に稽古相手がいなくなってしまいますから、大関陥落は避けられないのではないか」

 代わって期待されるのが、若手ガチンコ勢である。

「稀勢の里、高安と同じ茨城出身の玉金剛(21、幕下60)はいい。三段目で全勝優勝した後、幕下でやや苦戦しているが、素質は素晴らしいので期待している」(同前)

 前出・杉山氏も若手の話題になると一層熱が入ってくる。

「2020年に大関候補になっているのは正代(25、前頭1)、豊山(23、十両5)、朝乃山(23、十両5)、矢後(23、幕下11)、大奄美(24、十両8)の学生出身の5人で間違いないとみています。『東農大→時津風部屋』の先輩後輩である正代、豊山のコンビが現段階でのキャリア的には大関に近そうです」

 名古屋場所11日目に白鵬の連勝を止めて9勝6敗。2場所連続の殊勲賞をものにした関脇・御嶽海(24、関脇)を3年後の大関に推すのは料理人の神田川俊郎氏だ。

「大関候補はどの力士も帯に短しタスキに長しですが、頭ひとつ抜けているのが御嶽海じゃないでしょうか。遠藤(26、前頭3)もケガが多いのが気になりますが、3年後でもまだ30歳になっていない。大関候補として三役に踏みとどまっていると期待します」

 御嶽海は東洋大、遠藤は日大出身の学士力士だが、評価は好角家の間でも分かれているようだ。杉山氏は「御嶽海は今が一杯いっぱいの相撲。遠藤も膝のケガがあるとはいえ、以前と比べれば“普通の力士”になってしまった感じがしますね」と語っている。

 神田川氏は、現在の幕内最年少世代も目が離せないとする。

「阿武咲(21、前頭6)と貴景勝(20、前頭1)のライバル関係は今後も続くでしょう。三役を経験しながら幕内上位で土俵を盛り上げているのは確実。3年後に関脇あたりまで上がっていてもおかしくない」

 阿武咲は、横綱6人を輩出している青森県の出身。全国小学生相撲優勝大会に出場したときの宿舎が阿武松部屋だったという縁から、高校を1年で中退して入門。「突き押しだけの相撲でここまで上がって来た。四つ相撲を覚えれば、横綱も狙える」(前出の担当記者)と関係者の期待値は非常に高い。同級生でジュニア時代からのライバルである貴景勝も中学横綱のタイトルを取った逸材で、「貴乃花親方の秘蔵っ子」(同前)と称される。

※週刊ポスト2017年8月18・25日号

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