世界陸上競歩・小林快の銅メダルに感慨覚える関係者は多い

世界陸上競歩・小林快の銅メダルに感慨覚える関係者は多い

競歩は日本の新たなお家芸になるか(写真:時事通信フォト)

 陸上界に数々の日本代表選手を送り出してきた名門・早稲田大学競走部から、ついに誕生した「世界陸上メダリスト」は、「競走」ではなく「競歩」の選手だった。

 世界陸上ロンドン大会最終日(8月13日)の男子50km競歩で、リオ五輪銅メダリストの荒井広宙(ひろおき・29)が2位、そして早大出身の小林快(24)が3位に入った。

 早大競走部OBには、2009年世陸ベルリン大会でマラソン6位の佐藤敦之(39)、5000m日本記録保持者の大迫傑(26)、やり投げロンドン五輪代表のディーン元気(25)ら錚々たるメンバーがいるが、小林が同部OB初の世陸メダリストとなったことに、感慨を覚える関係者は少なくない。

 陸上長距離専門ウェブメディア「EKIDEN News」主宰者の“博士”こと西本武司氏は、世界陸上の全日程を現地・ロンドンで観戦。小林の快挙も間近で目撃した。その西本氏は、小林が早大時代に箱根駅伝を目指していた過去があることを興奮気味に説明する。

「小林選手は、高校駅伝の強豪校・秋田工から箱根駅伝出場を目指して早大に進学。ただ、記録会で思うような結果が出せず競歩に転向しました。夢を諦めずに競技を続け、一見、遠回りのような歩みが、結果として“メダルへの最短距離”になったわけです。早大OBの現役選手では最も世界に近いとみられてきた1学年上の大迫選手も、レース直後のツイッターで〈快ちゃん凄い!!〉と投稿して絶賛していました」

 今回の男子50km競歩はTBSで生中継された。レースは3時間40分超の長丁場で、荒井、小林のゴールはちょうど午後7時過ぎのゴールデンタイムとなり、注目を集めた。西本氏が続ける。

「競歩50㎞は競技時間の長さから今春、2020年東京五輪の競技種目からの除外が取り沙汰された。選手たちがSNSなどを通じて存続を呼びかけたこともあって、除外を免れた経緯がある。今回は荒井選手や小林選手が自ら掴んだチャンスを生かし、お茶の間に日本競歩の強さをアピールする大会となりました」

 挫折を乗り越えることで、選手たちの歩みは確かなものになっていく。

※週刊ポスト2017年9月1日号

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